昨年末に惜しまれつつこの世を去った故・ジェリー・アンダーソン監督が描いた100年後の未来は、人々の暮らしを豊かにするために先端科学技術が発展した夢の様な世界だ。
しかし、科学技術はひとたび事故を起こせば大惨事に繋がる危険性をはらんでおり、実際のストーリーの中でも、深刻化した環境破壊による大規模な自然災害や、原子炉爆発事故など、今まさに日本が抱えている問題を予見していたかのような内容も見られる。
企画展の中では、消火ビームで国際救助隊と共に街を守る「体験型レスキューアトラクション」が大盛況である。さらに、現在の日本の先端科学技術とサンダーバードで描かれた技術を比較しながら紹介する「先端科学技術展示」では、新型固体燃料ロケット「イプシロン」や、海水を淡水に変える「逆浸透膜」の技術などが紹介されている。
人類発展の希望を感じられる展示から、水不足など世界的に深刻化していく環境問題への対策としての技術展示など、これからの生活や社会について考える良い機会となる展示内容である。
サンダーバードの世界を堪能すると共に、今後現実に起こり得る様々な問題に対して、一人ひとりが「国際救助隊」の様に一丸となって行動する。そんな意識を与えてくれる企画展「サンダーバード博~世紀の特撮が描くボクらの未来~」まで、是非足を運んで欲しい。
■タイトル:サンダーバード博 ~世紀の特撮が描くボクらの未来~
■会期:開催中 ~ 9月23日(月・祝)
■会場:日本科学未来館 1階 企画展示ゾーン (東京都江東区青海2丁目3-6)
■開催時間:10時~17時(入場は閉館30分前まで)
■休館日:9月17日(火)
■チケット:大人:1300円(1200円)/18歳以下:700円(600円) /土曜日のみ18歳以下 600円
※( )内は8名様以上の団体料金 ※土曜日のみ18歳以下の団体は520円
■交通案内:休館日に関する問い合わせ:03-3570-9151 (日本科学未来館)
■公式サイト: http://tbmirai.jp/