SNS上で仲間外れや誹謗中傷を繰り返すことで当事者を不登校やうつ、自殺にまで追い込むサイバーいじめが増えている。そうした中、ソーシャルメディア上での「いじめ」を劇的に減らしたトリーシャ・プラブ氏(17)がSNSでのいじめを防ぐある方法を述べた。(オルタナS編集長=池田 真隆)
「投稿した内容がアイデンティティをつくる。どういった人でありたいのか自問自答しながら、SNSを使ってほしい」
10月10日、東京・六本木で『WIRED』日本版が主催した カンファレンス「WRD. IDNTTY.(ワイアードアイデンティティ)」に訪れた人々へトリーシャ氏はそう伝えた。彼女は若干17歳の高校生。翌日が試験ということもあって、自宅からスカイプで「登壇」した。
彼女の名前が一躍有名になったのは、いまから4年前の13歳の時。SNSで相手のことを非難する投稿をする直前に、「本当に投稿するのか」と、意思確認をするアラートを出すアプリケーション「ReThink(リシンク)」を開発した。
現在、全世界1500校130万人以上の学生に使われており、SNSで相手を傷つける投稿を見直した割合は93%に及んだ。
このアプリを開発したきっかけは、11歳の女の子がSNSいじめに遭い自殺したニュースを読んだことにある。
SNSいじめを解決するべく、脳科学の分野をリサーチすると、10代では意思決定を下す前頭葉が未発達なことが分かった。そこで、衝動的な投稿を防ぐ仕組みを開発した。
同日のカンファレンスでは、「SNSで投稿した内容が、自分のアイデンティティを形作っていると思えば、どう投稿すべきか自ずと分かるはず」とSNSのいじめを防ぐ方法に言及した。
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