毎月第1日曜日と第3水曜日を「パパごはんの日」とするプロジェクトが昨秋始まり、広がりつつある。
ビストロパパ(東京・港、滝村雅晴社長)と、NPO法人ファザーリング・ジャパン、東京ガスの3者によって始まった。
パパ料理研究家でもある滝村雅晴さんは「父親が、家族のために料理を作る楽しさを感じてもらいたい」と話している。
--そもそも、滝村さんはどうして「パパ料理研究家」になろうと思ったのですか。
以前は、広報関係の仕事を14年間していて、料理もほとんどせず、仕事一筋に働いていました。結婚し、娘が生まれたことで、家族のために料理をする楽しさを知り、世の中に広げようと思ったのです。
--具体的に、どういう時に、どんな料理をつくったのですか。
赤ちゃんが生まれたことで、気軽に外で食事をすることができなくなりました。ある日、紹介された料理本のレシピ通り作ってみたところ、自分でも驚くぐらい美味しい料理ができたことから料理にハマったのです。
しかし、自分のペースで、自分の食べたいものばかり作り、洗い物は一切しない料理スタイルを毎週続けた結果、家族が喜ばなくなりました。その時に「男の趣味料理」ではなく「パパの家庭料理」が、必要だと気づいたのです。
そこで、私のように料理をしなかったパパが自分の為や趣味ではなく、家族のために、料理をする楽しさを伝えたい。という想いが強くなりパパ料理研究家という職業を確立していきたいという気持ちが日々強くなっていきました。
――そこで会社を辞められる決心をされたのですね。
妻に相談し「あなたなら大丈夫」と背中を押してもらったことが大きな支えになりました。そして、サラリーマンを退職し、39歳で、日本で初めてパパ料理研究家として独立・起業し活動を始めました。
この仕事を始めて2年半になります。この仕事を続けられる理由は、世の中のお父さんが簡単に作れるような料理のレシピのブログを毎日更新し、2000日以上続けても飽きないのは、この仕事が本当に好きだからだと思います。
--その中で一番家族に評判が良かった(自信がある)レシピは何ですか。
ボンゴレ・ロッソ(あさりのトマトソース・スパゲティー)でしょうか。娘2人ともアサリが大好きでいつも取り合いです。
――世の中のパパたちに対してメッセージはありますか。
ひとつは、子どもが小さいうちに、家族のために料理を作ってほしい。やってみるととても楽しいですから。美味しく作る秘訣は「レシピ通り」徹底して作ることです。
もう一つは、楽しく働いている姿を子どもたちに見せてあげてほしい。そしてパパになっても好きなことを仕事にするチャレンジをしてほしい。社内でも社外でも。もし世の中になければ、自分で新しい「職業」をつくるパパが増えるといいなと思っています。
--将来の夢は何ですか。
世の中のパパが、家族のためにごはんを作る。「パパごはん」という言葉が文化として広まってもらうことです。子どもたちが大人になって自分の子どもが出来た時、「パパが子どもの頃、まだ日本では、お父さんがごはんを作る人があまりいなかったんだよ」と言っている姿が、私の頭の中に浮かんでいます。(聞き手は「らんま先生」こと石渡学さん)