息子介護をテーマにしたドキュメンタリー映画「和ちゃんとオレ」が2014年1月18日から公開する。テレビ東京が2008年と2012年に放送し、TXNドキュメンタリー大賞を受賞した番組に追撮と最編集を加えた内容となる。晩婚化や非婚化で、働き盛りの息子が介護を引き受けるケースが増えている。「介護する人」を支える仕組みがない社会に警笛を鳴らす。(オルタナS副編集長=池田真隆)

母親である「和ちゃん」を介護する野田さん

「同居」の主な介護者のうち、男性は3割を超え、男性介護者は100万人を超えると言われている。 このうち、60歳未満の人の割合は35%あまり。

少子化や晩婚化、非婚化の影響で、親の介護を働き盛りの独身の息子が担うケースが増え続けている。しかし、高齢者への虐待の件数をみると、 「息子」が 40.7%と最も多く、次いで「夫」が17.5%、「娘」が 16.5%の順であった。

同映画では、10年間、自宅で母親を介護してきたフリーライターの野田明宏さん(57)をメインに取り上げる。 認知症の母を友達のように、「和ちゃん」と呼ぶ。生活は介護一色で仕事はできず、和ちゃんの年金に頼る毎日だ。

2012年3月、「親を介護する息子たちを取り上げる本」の出版を目指して仕事を再開させた野田さんは、父親を介護する43歳の男性の取材を始めた。2年前に介護離職した男性は、妥協を許さない最高の介護を目指す。「父を預かってくれる施設もない。仕事なんてしていられない。1日でいいから休みたい」と、野田さんに訴えた。

そして、取材中、衝撃的な電話が野田さんに掛かってくる。それは、野田さんの介護生活の終わりを告げる電話だった。 「俺みたいな人はこれから増える。俺たちは、介護後の人生をどう生きればいいのか。このままでは生活保護になってしまう」

野田さんは危機感をあらわにした。 今なお「介護する人」を支える仕組みのない日本の制度。その不備を問う。

■「和ちゃんとオレ」 2014年1月18日(土)より、ポレポレ東中野ほか全国順次ロードショー ■

<キャスト&スタッフ>
ナレーション:高橋克実
製作:テレビ東京 製作統括:武田康孝 エグゼクティブプロデューサー:加増良弘
製作協力:テクノマックス、テレビ東京ヒューマン、日経ビデオバンク
構成:岩井田洋光 音楽効果:音響企画 撮影:小柴健嗣 編集:守田一哉、若林愛 プロデューサー:小松澤恭子 監督:曺絹袖
公式HP:www.tv-tokyo.co.jp/kazuore
Twitter:@TVTOKYO_PR Facebook: https://www.facebook.com/TvTokyo.csr
<日本/2013年/カラー/75分>
配給:テレビ東京 ©TV TOKYO

【特別試写会&トークセッションご招待のお知らせ】
「和ちゃんとオレ」の特別試写会&トークセッションが1月13日(月・祝)にテレビ東京で開催されます。
オルタナS読者の中から、抽選で3組6名様をご招待します。
特別試写会&トークセッションにご参加を希望される方は、
masataka@alterna.co.jp(担当:池田)まで、件名を、『「和ちゃんとオレ」特別試写会参加希望」』として、名前、人数を明記の上ご連絡ください。

【日時】 
1月13日(月・祝)13時開場 13時30分開宴
【場所】
テレビ東京会議室 てれとプラザE
港区虎ノ門4−3−9住友新虎ノ門ビル7F
  ※日比谷線神谷町駅から徒歩2分
  ※本社ビルではありませんのでご注意下さい。
(地図)
http://www.tv-tokyo.co.jp/contents/ir/jpn/map/map.html
【内容(予定)】
13時30分〜 ごあいさつ、映画上映(約75分間)
15時00分〜 トークセッション、質疑応答
16時30分  終了予定        
トークゲストは野田明宏さん(映画で取材をさせていただいた“オレ”)、テレビ東京・小松澤恭子(映画のプロデューサー)、ほか調整中。