サッカーのJリーグ・浦和レッドダイヤモンズの公式戦で一部サポーターが「JAPANESE ONLY」と書いた横断幕を掲げたことを受け、10日からネット上で署名活動が始まった。Jリーグは史上初の無観客試合など厳罰処置を決めたが、当該サポーターや浦和レッズへの批判は止まらず、5日間で署名は11000人を超えた。(オルタナS副編集長=池田真隆)
署名を集めているサイトは、「チェンジ・ドット・オルグ」。「典型的で重大な差別行為」「差別的な意思がなかったというならあまりにも無知」――など批判の声が次々に上がった。署名は、公益社団法人日本プロサッカーリーグに届けられ、差別的横断幕を掲げたサポーターと浦和レッドダイヤモンズに対して厳しい断固たる処置を要求している。
浦和レッズの調査では、サポーターは、「差別のつもりはなかった。海外からの観光客が増えて応援の統制が取れなくなっている」と話しているが、クラブは「差別行為」と見なした。SNSの意見でもサポーターに対して厳しいものが多い。
Jリーグの村井満チェアマンは13日に記者会見を開き、Jリーグ史上初となる無観客試合の処分を下した理由を述べた。ポイントは大きく分けて3つある。
過去に浦和レッズは複数回にわたるサポーター間のトラブルを起こしており、制裁金総額3700万円を支払っていたが改善が見られなかった点。日本サッカー協会や浦和レッドダイヤモンドに抗議のメールや電話・FAXが多くの人から届いている点。そして、最後の3つ目は、村井チェアマン自身がこの問題に向き合っていくと覚悟を決めたことだ。
「大きな決断をしてでも将来にクリーンでフェアな日本のサッカーを明確に打ち出すべき」と述べたことから、その覚悟が伺える。村井チェアマンは今年1月31日に就任したばかりだが、サポーターとの信頼回復を最優先に考え、英断を下した。
Jリーグの荻原和之広報室長は、オルタナS編集部の取材に対して、「人種差別的行為の撤廃へ全力を尽くす」と話した。