三井ダイレクト損害保険(東京・文京、船木隆平社長)は1日、創立15周年を記念してムジコロジー・スマイル基金を創設した。同基金の寄付先はNPOなど5団体で、金額は同社の保険契約者による投票で決まる。一年間無事故の契約者の投票数は10倍でカウントされ、安全運転を訴える。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

安全運転が寄付になる

この寄付制度では、同社の自動車・バイク・ドライバー保険契約者85万人が毎月1回、専用サイト「ワンダークリック!」で寄付先団体に投票できる。年間を通して、無事故だった契約者の投票数は10倍にカウントされ、また、継続年数によっても投票数が変わる。

投票期間は、2015年3月まで。その時点での投票割合に応じて、寄付金額が分配される。寄付金の総額は、同社税引前利益の1%または500万円のいずれか高い額だ。

同社事業部 ゼネラルマネージャー・岩井淳氏は、「保険に新たな価値を見出したい」と話す。通常、保険会社と契約者の接点は、更新時か事故時のどちらかだけだが、日常の運転が寄付につながる仕組みを取り入れることで、身近な保険を目指す。「安全運転がみんなのためになることを実感してほしい」(岩井氏)

この「安全運転が寄付になる」仕組みを、同社に提案したのは、ドウゾ(東京・千代田)の棚田信子社長だ。ドウゾでは、この仕組みの特許を取得しており、2012年に同社に提案していた。

棚田社長は、「事故が起きなければ保険会社の支払いは減るので、利益が上がり、寄付金額も増える」と親和性の良さを説明する。この提案を受けていた岩井氏は、創立15周年を迎えるタイミングで、同社の経営理念にある「社会的責任」を果たすために、導入を決意した。

寄付先のNPOは全国から選別した。審査基準は、「活動内容の透明化」「収支報告」「ホームページの更新」の3点で選んだ。選ばれたのは、復興支援を行う助けあいジャパンや交通事故防止に取り組むNPO法人ASKなど5団体だ。

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