国際問題の啓発活動をする慶応義塾大学公認の学生団体S.A.Lは11月14・15日、映画祭「Theatre of PEACE 2nd(シアターオブピース)」を行う。映画祭では、同団体に所属する学生たちが制作した4本の映画を公開する。キプロス島の争いやミャンマーから日本に来た難民たちの暮らし、東日本大震災から3年後の福島を取材した。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

キプロスの争いから平和を考える作品「HAVE NOTHING IN COMMON」

キプロスの争いから平和を考える作品「HAVE NOTHING IN COMMON」

当日、上映する映画は監督・脚本・編集など、すべて学生たちで作った。上映する4作品それぞれの監督は、取材するために現場を訪れた。たとえば、キプロス島の争いについて映画化した小長谷謙治さん(慶應義塾大学3年)は、2012年の夏にキプロス島を訪れた。

美しい海に囲まれた街のなかには、分断線があり、対立する住民の争いがあった。キプロスを訪れて、初めて対立があることを知った小長谷さんは、「平和とは何か。世界で起きていることを何も知らずに平和を単純化していた」と思ったという。

上映作品の「ひかり」では、ミャンマーからの難民一家を取材した

上映作品の「ひかり」では、ミャンマーからの難民一家を取材した

鈴木しおりさん(慶應義塾大学2年)は、ミャンマーから群馬県館林市に逃れてきたロヒンギャ族一家の暮らしを取材した。2013年度、日本に逃げてきた難民のうち3260人が難民認定を申請した。しかし、認定がおりたのはわずか、6人だけ。認定がおりないことで、就職や家を借りることなどがしづらくなり、不安定な生活を送ることになる。鈴木さんは、1年半、一家に密着し、彼らの声を映画に収めた。

そのほかにも東日本大震災から3年後の福島を舞台に取材した作品や、フィクション映画も上映する。フィクション作品では、紛争や災害で苦しむ人たちがいる一方で、何気ない日常を送る人たちの姿を描いた。テレビや新聞などで伝えられている人々に思いを馳せることを狙った。

福島を取材した作品「大学生だから」の予告編↓

フィクション映画「誰かのレクイエム」↓
http://www.youtube.com/watch?v=XxBzZ56e57M

上映会当日は、各作品の舞台となった国や地域の状況なども監督が説明する。同団体は2012年秋に、第一回目の上映会を行い、2日間で400人を動員した。今回は、「知ってほしい想いを馳せてほしい」というコンセプトを設定し、2日間で500人の動員をめざす。

◆「Theatre of PEACE 2nd」概要
とき:11月14・15日18:00開場 21:00終了
ところ:東京ウィメンズプラザ(渋谷・神宮前)
料金:500円
申し込みはこちら

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