東京スター銀行では、次世代の女性管理職に向けて研修を行っている。同社の女性管理職比率を今後数年で上昇させることを第一の目標に据える。今年2月には、同行にダイバーシティ推進チームを立ち上げ、人事戦略ではなく、経営戦略として、取り組んでいる。(オルタナS副編集長=池田 真隆)
ダイバーシティ推進チームのリーダー地村純子氏は、「リーダーの支え手として活躍している女性行員にこそ、リーダーになってほしい」と話す。同行では、女性管理職を増やすために、意見交換会を行っている。意見交換会の参加者は、20~40代前後の女性行員だ。
ダイバーシティ推進チームでは、行内アンケートをとり、女性活躍に向けて行員の考えをまとめている。その調査の結果で特徴的だったのは、「男性行員は、昇格・昇進に関心が高い一方で、女性行員は働き方のバランスを求めている傾向にある」ということ。
年を重ねるごとに男性行員が昇格・昇進に関心を示す背景には、家族ができて養っていくために、給料を意識するようになることがある。一方で、女性行員は、結婚・出産などのライフイベントが重なり、仕事だけに比重を置くのではなく、家庭やプライベートとのバランスを求めるようになる。
地村氏は、女性活躍を進めるという同行の方向性と、女性行員の意思を尊重しながら、まさに格闘している真っ最中だ。チーム立ち上げの際に、「女性が活躍している会社とは」というテーマで、メンバーと話し合ったという。そこで出た答えは、「女性行員が意思決定に参加している会社」だ。
地村氏は、「主体的かつ自発的に組織に貢献し、責任を持って行動する女性行員を増やしていきたい」と意気込む。同行では、ダイバーシティの推進を、単なる人事戦略というだけではなく、経営戦略として取り組んでいる。
つまり、女性の活躍が、ビジネスの拡大に結びつくと考えているのだ。実際、2014年8月と10月に、同行上野支店と平塚宮の前支店に女性支店長が2人誕生した。両名が能力を遺憾なく発揮し、両店舗の業績は好調に推移しているという。
地村氏は、「女性管理職が増えることで組織が良くなっていった事例を集めて、次世代の女性管理職育成につなげたい」と意気込む。
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