太平洋戦争末期、沖縄で国内唯一の住民を巻き込んだ地上戦が起きた。その地上戦が終結したといわれる6月23日、沖縄県では「慰霊の日」を迎えた。同県糸満市摩文仁の平和祈念公園で、沖縄全戦没者追悼式が開かれた。遺族を中心に5000人以上が参列し、野田佳彦首相、横路孝弘衆院議長、平田健二参院議長、仲井真弘多沖縄県知事らも参列した。
正午になると参列者は、沖縄戦の戦没者名を刻んだ石碑「平和の礎(いしじ)」に向かって手を合わせた。礎には、今年新たに36人の名前が刻印され、合計で24万1167人となった。民間人、軍人、国籍関係なく刻まれている。
追悼式では、沖縄戦で犠牲になった大伯父を持つ金城美奈さん(首里高校三年)が平和を願う詩「礎に思いを重ねて」を詠んだ。
礎に刻まれた/あなたの名前は/とても小さくて/とても窮屈そうで/この文字では表せないほどの人生が/あなたにはあった/この文字では抱えきれないほどの未来が/あなたには待っていた(「礎に思いを重ねて」一部)
仲井真知事は何の罪もない多くの住民が巻き込まれた67年前の戦時に想いを馳せ、「沖縄県の平和を全力で実現する」と述べた。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設問題については「早急に県外移設」と話した。(オルタナS副編集長=池田真隆)