動物保護団体ヒューメイン・ソサエティー・インターナショナル(HSI)はこのほど、ニュージーランドで化粧品のための動物実験が禁止になることを発表した。3月31日に可決された改正動物福祉法を受けたもので、遅くとも年内には発効する見込み。オセアニア圏では初の事例となる。(オルタナ編集部=佐藤 理来)

残酷な化粧品の動物実験に反対するキャンペーン「Be Cruelty-Free」はこれまでに、世界規模で100000筆の署名を集めている

残酷な化粧品の動物実験に反対するキャンペーン「Be Cruelty-Free」はこれまでに、世界規模で100000筆の署名を集めている

今回の改正では、化粧品開発のための動物実験が禁止となる。今回の法改正に署名を集めて働きかけたBe Cruelty-Freeキャンペーン同国支部のスティーブン・マンソンさんは、「ニュージーランドにとって大きな一歩」と話す。

2013年に米・学術調査会社のHorizon Researchが行った意識調査では、ニュージーランドの消費者の89%が化粧品の動物実験禁止を支持している。

同国では動物実験の禁止に向けて大きな一歩を踏み出したが、課題もある。禁止対象が国内での化粧品開発に限られるため、輸入販売を禁止しないことが、「抜け穴」として使われる恐れがあるからだ。海外に委託すれば動物実験を実施した商品を販売することができる。

スティーブン・マンソンさんは「次は、動物実験をした商品の輸入販売禁止を目指してほしい」と指摘する。

化粧品開発のための動物実験を禁止する動きは、世界的に高まっている。EUではすでに、輸入も含め、動物実験を実施した化粧品の販売が禁止されている。日本ではまだ法的な動きはないが、資生堂とマンダムが2013年に、コーセーが2014年に自主的に取りやめている。

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