全国の大学生からなる任意団体SEALDs(シールズ)は6月19日、国会議事堂前で安全保障関連法案に反対するデモを開いた。同デモには、「96条の会」発起人で、東京大学名誉教授の樋口陽一氏が駆けつけた。樋口氏は、「政府によって戦後日本が築きあげてきたものが解体させられる」と批判しつつ、「情けない話だが、この状況をつくりあげている政治家は、私たちが選んだ」とし、要因は国民にもあると話した。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

 若者に囲まれスピーチした樋口氏=6月19日夜、国会議事堂前で

若者に囲まれスピーチした樋口氏=6月19日夜、国会議事堂前で

樋口氏はスピーチで、政府の憲法解釈に対して批判したが、同時に有権者にも、政治家への意識を高めなくてはいけないと指摘した。政府は安全保障関連法案を合憲と解釈しているが、樋口氏をはじめ約5000人の憲法学者らが違憲と反対している。多くの学者が違憲としているが、政府が聞く耳を持たない事態に、「情けない」と発言。「ただ、情けないが、この状況をつくった政治家を選んだのは、私たち」と続けた。

そして、最後に「このデモには10代の若者も来ている。自分の意思で考えて、ここにいる。こうした若い人たちの姿に、日本の今と未来へ自信を持てた」と締めた。

同デモには、小雨が降るなか、約2500人が集まった。同デモは、夜7時半から9時半まで行われ、シールズに所属する大学生が入れ替わりで登壇した。

同日、登壇したのは等身大の大学生たち。大学の講義で遅れて参加した者もいれば、金曜日夜のデートを断ってきたという女子大学生も。さらには、政府に対する怒りがきっかけで、無関心だった政治に関心を持てたという大学生もいた。

シールズの代表である奥田愛喜さん。政府の動きを「本当に止める」と力強く叫んだ

シールズの代表である奥田愛喜さん。政府の動きを「本当に止める」と力強く叫んだ

登壇した大学生たちを後押しするように、周りにいる参加者が盛り上げる

登壇した大学生たちを後押しするように、周りにいる参加者が盛り上げる

「友達と遊んだり、デートしたり、親子喧嘩したりする日常を戦争によって奪われたくない」と訴えた

「友達と遊んだり、デートしたり、親子喧嘩したりする日常を戦争によって奪われたくない」と訴えた

スピーチした大学生たちは、「民主主義って何だ」「自衛隊を派遣することが危険な状態を引き起こすことになる」「憲法の三大原理である、国民主権・基本的人権の尊重・平和主義を簡単に壊すな」など、一人ひとり自分で考えた意見を伝えるため、国会議事堂に向かって大声を張り上げた。

【SEALDs主催のデモ予定】
6/21(日)戦争立法に反対する学生デモ in 京都 (SEALDs KANSAI主催)
6/26(金)19:30~21:30戦争法案に反対する国会前抗議行動
6/27(土)16:00~18:00 戦争法案に反対するハチ公前大集会
7/3 (金)19:30~21:30戦争法案に反対する国会前抗議行動
7/10(金)19:30~21:30戦争法案に反対する国会前抗議行動
7/17(金)19:30~21:30戦争法案に反対する国会前抗議行動
7/18(土) S4LON vol.2 「本当に止める。」
7/24(金)18:30~ 安倍政権NO!首相官邸包囲
各デモ活動の詳細はこちら

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