「エンパワーメント」(※)――。聞き慣れない言葉かもしれないが、人間の潜在能力を引き出すことで、個人や集団の自立を促し、平等・公正な社会を実現するという意味だ。人口減少や高齢化など社会的課題が山積みの日本で、ヤフーというIT(情報技術)企業がどこまで課題の解決に貢献できるのか。元プロ陸上選手で、障がい者スポーツにも力を入れる為末大さんと、ヤフー株式会社副社長の川邊健太郎に語ってもらった。(聞き手・オルタナ編集長=森 摂、撮影=山田 英博)

(※)エンパワーメント:個人や集団が自らの生活への統御感を獲得し、組織的、社会的、構造に外郭的な影響を与えるようになること。人々に夢や希望を与え、勇気づけ、人が本来持っているすばらしい、生きる力を湧き出させること。

ITで社会的課題をどう解決するのか、二人の考えを話し合った

ITで社会的課題をどう解決するのか、二人の考えを話し合った

――ヤフーは企業理念として、「課題解決エンジン」を掲げています。ヤフーはインターネットの力を生かして、どのように社会的課題を解決していきたいとお考えでしょうか。

川邊:人は日々、いろいろな意思決定をしながら、未来に向かって生きています。そこには、大小さまざまな課題がある。当社は、人間が生活するうえで抱える課題を、インターネット上で解決できるようにしていくためのツールを提供する会社だと思っています。

例えば、「ヤフオク!」では不要になったものを捨てることが減り、多くのユーザーがリユースを楽しんでいます。「Yahoo!知恵袋」でも多くの人が知識やノウハウを共有し、個人の困り事を瞬時に解決しています。

もともと、コンピューターやインターネットは軍事用として国家権力のためにつくられたものでした。それが時をへて、パーソナルコンピューターが生まれ、個人に力を与えるツールになったのです。

当社も、ITの力で個人を「エンパワー」していくこと(エンパワーメント)が重要だと考えています。為末さんが取り組んでいるように、障がい者支援にITの力を生かすことも考えています。

■ITの力で社会変革を促す

為末:まだインターネットがないと成立しないスポーツはありません。例えば、ITとスポーツの融合として「超人スポーツ」があります。これは、ITをはじめ、ロボットや映像などの先端技術の力で、人間の身体能力を超えた力を発揮する新しいスポーツの構想です。

パラリンピックでは、義手や義足に動力を入れることは禁止されていますが、超人スポーツでは、身体機能を強化する装置を身に付け、健常者も障がい者も同じようにスポーツを楽しむことを目指しています。

この記事は、ヤフーCSRサイトからの転載です。続きを読む方はこちら
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