年々その数は減少傾向にあるが、それでも今も尚多くの命が失われている。特に猫においては、年間約10万匹*のうちその多くが所持者不明の野良猫である。近隣住民による無責任な餌やりによって、猫たちの繁殖を助長させ、その結果殺処分につながるケースが生まれる。

こういった現状の解決と猫の殺処分ゼロを目指してNPO法人「東京キャットガーディアン」は様々な活動を行っている。この団体では、大塚や西国分寺にある猫カフェ型開放シェルターを拠点に、行政から引き取り、保護した猫たちと、飼育を希望する人たちとを繋ぐ役割を果たしている。また野良猫の去勢・避妊手術を行う「そとねこ病院」、猫が住むマンションの賃貸「猫付きマンション」といった活動も行っている。

今回私たちは、大塚にあるシェルターを訪問した。3つほどの仕切られた部屋と、その上には開放感のある広い空間があり、その中で猫たちは自由気ままに暮らしていた。私は保護猫と聞いてなんとなく良いイメージが湧かなかった。

汚かったり、怪我をしていたりするのではないかと考えていたからだ。しかし、そこで暮らす猫たちはペットショップにいるような綺麗な猫たちと何ら変わりないことに驚いた。

中には目がなかったり、エイズキャリアがあったりといった子たちもいた。しかしそれはただの「ひとつの個性」であって、片目がなくても誰よりも元気に遊ぶし、病気を持っていても猫らしく穏やかに暮らしているのである。

大塚のシェルターで筆者撮影

平日の昼間にシェルターに訪れたのにもかかわらず、多くの人が猫と戯れているのがとても印象的だった。中には猫の譲渡を検討している人もいた。こういった活動や施設をより多くの人に知ってもらうことができれば、少しでも多くの命が救われるのではないだろうか。実際に猫を飼うことが難しいとしても、一度シェルターに足を運んでみるといいと思う。猫たちに癒されながら、命に対する考えを深めるきっかけになるはずだ。

NPO法人東京キャットガーディアン
*平成25年環境省統計資料「犬・猫の引取り及び負傷動物の収容状況」より

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