国際広告会社マッキャン・ワールドグループ ホールディングスの入社式が4月1日、東京港区の本社で開かれ、11人の新入社員とともに、AI(人口知能)が出席した。このAIは、クリエイティブディレクターとして入社し、実際の会議にも出席する。AIは蓄積されたデータベースから、クライアントの訴求内容に応じて最適な企画をつくることができるように設計された。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

本日、入社式に出席したAI-CD β

本日、入社式に出席したAI-CD β

このAIの名前は、AI-CD β(エーアイ・シーディー ベータ)。ACC CM FESTIVAL テレビCM部門の過去10年分の受賞作品のほか、さまざまなTVCMを構造分解し、独自のタグ付けをした。クリエイティブディレクターとして担当クライアントを持ち、会議にも出席する。実際に話すことはできないが、このAIに入力することで、ロボットアームに搭載された筆でCMのクリエイティブディレクションを紙に書き出す仕組みだ。

同社としては、AIが入社するのは初。同社コーポレートコミュニケーションズグループの大木美代子氏は、「AIがCMを制作した例は、(広告業界では)これまでに知らない」と話す。CMを制作するだけでなく、制作したCMの評価をフィードバックする事で学習していくという。

このAIを開発したのは、同社のミレニアル世代(1980–2000 年前半生まれ)のメンバーから構成されるグループ。同グループを立ち上げた松坂俊・クリエイティブプランナーは、「我々のグループにクリエイティブディレクターがいなかったので、自分たちで人工知能にして作ってしまおうとプロジェクトを起こした。世界に名を残すクリエイティブディレクターに成長してほしい」とエールを送った。

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