武蔵大学社会学部メディア社会学科松本ゼミは、千葉県の鴨川市総合交流ターミナルである「みんなみの里」を訪問し、事務局長である清水宏さんにお話を伺った。みんなみの里は、農村の様々な魅力を生かして都市の人々と交流することにより、地域の農業を活性化する新しい取り組み「鴨川市リフレッシュビレッジ(元気回復村)」事業を推進するための交流拠点として機能している。季節に沿ったお祭りや農村ならではの農業に因んだイベントを開催している。(武蔵大学松本ゼミ支局=岸川 詩野・武蔵大学社会学部メディア社会学科1年)

みんなみの里

米粉で作られたシフォンケーキをご馳走になったが、米粉で作る理由として、小麦アレルギーの人にもシフォンケーキを食べてもらいたいという思いと日本人の米の消費量の減少を危惧してのことであった。このことから、清水さんの優しい人柄がうかがえると感じた。

みんなみの里では、リピーターを大切にしており「1000人が1回来ると来場者は1000人、100人が10回来ても1000人。私たちは後者を狙っている」と清水さんは語る。

鴨川市は、都市部から遠くないことを利点した「グリーンツーリズム」を推進しており、みんなみの里では、都市の人々に地域農業のボランティアとして来てもらうことで交流を図っている。

例えば、いちご狩りの体験事業のシーズンが終わり、農園を取り壊す際に以前訪問してくれたお客さんに声を掛けて農業ヘルパーとして手伝ってもらう取り組みを進めている。これにより、都会の農業ボランティアに来た人も農業のノウハウを知ってもらう狙いがある。

みんなみの里が農業を通じた都市の人との交流を推進している理由として、日本の食料自給率の低さと農家の跡継ぎが居なくなることにより農業人口が減少していることへの危惧が挙げられる。

みんなみの里が、NPO法人ではなく任意団体として活動している理由として、地域住民が自発的に取り組むことで、議会の圧力を受けずに運営することができることに加えて、異業種交流を図る狙いもある。農業生産者と土産物などの加工品を扱う商業者を仲介する窓口としての役割も果たしている。

今回のみんなみの里への訪問を通して、農業について知ることの大切さを学んだ。都会近郊に住む私たちが普段当たり前のように口にする農作物がどのように作られているのかを知る機会は少ない。

みんなみの里は、都会から1時間半ほどで行くことができる立地にありながら、農業体験をすることができる数少ない学習の場であると感じた。

みんなみの里にリピーターとして訪れることで地域交流を図ることもでき、鴨川市が抱える農家の跡継ぎ問題などの解決にも近づけるのではないだろうか。


【編集部おすすめの最新ニュースやイベント情報などをLINEでお届け!】
友だち追加

[showwhatsnew]

お知らせ オルタナSでは、社会問題の解決につながる活動を行う若者を応援しています。自薦・他薦は問いませんので、おすすめの若者がいましたらご連絡お待ちしております。記事化(オルタナS/ヤフーニュースほか)に加えて、ご相談の上、可能な範囲で活動の支援をさせていただきます。お問い合わせはこちらから