イミュ、ケサランパサラン、カバーマークなどのブランドを擁する化粧品大手ピアスグループ(大阪市)が兵庫県で運営している研究所で、化粧品の動物実験における必要な行政手続きを怠ったことを受けて、複数のNPOからなる「美しさに犠牲はいらないキャンペーン実行委員会(CFB)」は、同社を刑事告発することを発表した。兵庫県は、実験動物を飼養保管する施設に対し、施設の見取り図や実験動物の種類や頭数などの届出義務を課しているが、同社では最大で25年間届出を出していなかった。CFBでは同社に対して、対話を求めたが、回答を得られなかっため、刑事告発の決定に踏み切った。(オルタナS編集長=池田 真隆)

シャンプーの実験で、目がただれてしまったウサギ

兵庫県では1993年に「動物愛護及び管理に関する条例」第25条を施行した。同条例では、実験動物を飼養保管する施設に対し、施設の見取り図や実験動物の種類や頭数などの情報について届出義務を課している。ピアスグループが管理・運営する「ピアスグループ中央研究所」(兵庫県神戸市)では、最大で25年に渡り、届出を出さなかったことが判明した。

ピアスグループは、国際的に批判が強い化粧品の動物実験を行っていたため、CFBは廃止を求めてきた。だが、同社は方針を変えずにした。CFBは、9月1日から廃止を訴えるキャンペーンを開始し、オンライン署名サイトで2万に及ぶ賛同を集めた。このキャンペーンの一環として、9月12日にピアスグループ中央研究所の条例にかかる届出の有無について兵庫県に照会したところ、届け出が行われていないことが判明した。

CFBは同社に対して、対話を求めたが、回答を得られることはできなかったため、刑事告発の決定に踏み切った。

CFBのコメントは下記。

「ピアスグループは、動物実験をめぐる国内外の動向や世論を承知しているにもかかわらず、私たち動物保護団体からの働きかけを一切無視してきました。ここにきて、無届で動物実験という長年の不法行為が発覚し、同社の企業姿勢は極めて悪質だと言わざるを得ません。数少ない関連法規を把握していなかったことも驚くべき失態です。消費者からの信用を取り戻すには、化粧品の動物実験を一刻も早く廃止することが不可欠であると考えます」


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