昨今、海洋汚染につながるとして世界各国で廃止の動きが加速しているプラスチック製ストローだが、このほど渋谷にあるヴィーガンカフェが食べられるグリーンストローの提供を始めた。同店と契約している奈良県宇陀市の農家が無農薬で作ったほうれん草をストローにした。無農薬なので、飲料への苦みもなく、飲み終わった後は食べることもできる。(オルタナS編集長=池田 真隆)

グリーンストローを通してプラスチック問題を知り、生産者への思いや、新しい発見や、意識につながればうれしいという

グリーンストローを提供しているのは、「ORGANIC TABLE BY LAPAZ(オーガニック テーブルバイ ラパス)」。ライフスタイリストの大田由香梨さんが2011年にプロデュースした店で、「セカンドハウス」をコンセプトに掲げる。

もとは、広い店内を生かして家具や雑貨、アートなどを取り扱うライフスタイルショップだったが、2014年の移転リニューアルを機に「食」へフォーカス。東京では、希少なヴィーガン/プラントベースカフェとして支持を集めている。

同店には環境意識の高いスタッフが多く、プラスチック製ストローの問題に対して関心を持っていた。スタッフ全員で「紙ストローを使用することが、全ての解決策ではない」という答えを持ち、そもそも「ストローは必要か」という点から見直した。それ以来、店ではストローを渡すときには必ず必要かどうかを確認するようにした。

グリーンストローを見つけたのは、1カ月ほど前のこと。料理の仕込みをしていたシェフがサラダに使用するほうれん草の茎に空洞を発見。スタッフ全員で大笑いしながら、「LAPAZのストローはこれだ」と確信をもったという。

さっそくそのほうれん草を作っている生産者に連絡を取り、いつもより収穫時期を遅らせて、茎を成長させてから収穫をしてもらった。

同店に勤める今井慎治さんは、「このほうれん草を作っている生産者さんは自然豊かな森林の中で土作りから情熱をかけている。地元の若手農家さんにも慕われていて、生産方法の研究にもとても熱心」とし、「無農薬栽培だからこそ、安心安全に飲んで食べられるのも魅力の一つ」と話した。

現在は、「オーガニックオレンジジュース」、「オーガニックアップルジュース」、「スムージー」にグリーンストローを付けて提供している。ほうれん草の収穫時期によって準備できる本数は限られるので、「今後は空芯菜や麦など季節によって、楽しみながらLAPAZらしいグリーンストローを準備していきたい」とのことだ。

ORGANIC TABLE BY LAPAZ


【編集部おすすめの最新ニュースやイベント情報などをLINEでお届け!】
友だち追加