環境保護活動のC・W・ニコルさんが4月3日、直腸がんのため長野市の病院で死去しました。79歳でした。ニコルさんは国内最大規模の環境フェスティバル「アースデイ東京」の実行委員長を務めていました。今年で50周年を迎えたアースデイに対して、ニコルさんが用意していたメッセージを紹介します。(オルタナS編集部)
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もしこのまま幸運なら、私は今年2020年に80歳の誕生日を迎えることになります。
それは私が最初に日本に来て58年、市民権を得てからは25年になるということです。
旅の中で出会った昔のお年寄りたち祖父母たちはもう、いなくなってしまいました。
その時に出会った多くの子ども達は今や、お爺ちゃんお婆ちゃんと孫から呼ばれる世代です。
そうやって何十年にもわたり、この国の変化を見てきたのです。世代が進み、技術が進み、Webとデジタルが進むにつれて、かえって世代の繋がりが途切れがちになっているようにも感じます。
インターネットが祝福から呪縛に変化しかねないと心配でもあります。子ども達が自然の、無垢な不思議や、素朴な美しさにも無関心になっているように感じるのも心配なことです。戦争を望まないことはもちろん、平和な暮らしを続けたいという当たり前の願いは最も大切な事です。
大きな災害、大きな自然に向き合うからこそ、私たちはつながり合い、自然の多様性を守り、人間の多様性を高めるために、生きる刻を共にして活動しなければならないと思うのです。生きる刻を共に歩き始めましょう。
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20回目を迎えるアースデイ東京は4月18・19日にオンラインで実施します。当日は、いとうせいこうさんや加藤登紀子さんらアーティストが登壇します。当日タイムテーブルなど詳しくは公式HP。