地域活性化を色んな切り口から紹介し、学ぶイベント「VISIONS(8/27-28)」。
この前夜祭として、”これからの時代の幸せとは?”をテーマにしたドキュメンタリー映画「幸せの経済学」の上映会が、東京ウィメンズプラザで行われた。
世界各国の学者、政治家、作家、医者、市民団体などが様々なアイデアを語っていた。結論として「グローバル経済からローカル経済にシフトチェンジする事」が、持続可能で7世代先(!!)まで幸せに暮らせる方法だと主張していた。
◆なぜグローバル経済がいけないのか?
答えは、「①利益至上主義が有限である資源や人を使い捨てにする②物質的には豊かでも、常に競争や対立で不安だらけの精神状態を生み出す」から。貧富の差を作り、価値観までも均一化された世界。失業率や自殺者は増え続け、人々の無理ももう限界に達していると警告している。
◆では今後どうしたらいいのか?
答えは「地域回帰」だ。その土地の風土や思想を生かし、分散型の社会に回帰することで、搾取ではなく共存しようと訴えていた。例えば、こんな面白い取り組みが紹介されていた。場所はアメリカ・デトロイト。かつて「自動車の街」と呼ばれていたこの地域は今、倒産した自動車工場の跡地を使い、B‐boyが野菜を作っている。「食べ物にも困らず、野菜を売ってお金も得られる」と、農家へ転職する若者が増えているという。
大規模農園・単一作物栽培から、小規模農園・多品目作物栽培へ。エネルギーも水も食糧も人も金融も、地産地消出来ない物はない。風土に合う作物を作れば、健康被害が懸念されている遺伝子組み換えなど過度のテクノロジーは不要になる。
分散型の社会では、地域の住民が主役だ。世界を変えるのは専門家ではなく、普通の人(=私達)なのだと、映画では強く訴えていた。
◆感想
まず現在の世界を知り、今後自分たちが豊かに生活する方法を考える機会をくれる映画でだった。刺激を受けた人は、農業体験を調べたり、参加したりするきっかけになるかもしれない。グローバル経済を分かり易く解説しているので、性別や世代に関係なく多くの人に見てほしいと思思った。(オルタナS特派員 中川真弓)