奥多摩を拠点にコミュニティデザイン事業を展開するアートマンズ株式会社は8月19日~22日被災地の子どもを奥多摩で受け入れるサマーキャンプを実施した。対象となったのは福島県伊達市月舘町の小学生及びその家族で計17名が参加した。
子どもたちは久しぶりに放射能の影響がなく外で思い切り遊べるとあって、笑顔が絶えない4日間となった。川遊び、魚釣り、ツリークルージング、キャンドル作り、キャンプファイヤーなどはどれも体験したことがないようで、プログラムの全てを楽しんでいたようだった。
最終日の振り返り会で子どもたちは「福島県に戻ったら放射能のことを心配しなくちゃいけないけど、奥多摩で遊べて、色々な人と出会えて嬉しかったです。これからも奥多摩町に来たいです!」と語ってくれた。
キャンプ終了後、9月10に月舘町へ訪問し、子どもと親御さんたちと反省会を実施した。首を長くして子どもたちの帰りを待っていたお母さんの一人がこんなことを語ってくれた。「放射能の問題が起こってからは辛いことばかりでしたが、唯一よかったことがあります。それはこの問題がなければ奥多摩の方々とは出会うことがなかったということです。子どもたちも短い期間でとても成長しましたし、来年もぜひお願いしたいです」。
放射能が被災地に与えた影響は半年経った今も刻一刻と変化しているが、唯一与えてくれたのが「つながり」だとこのお母さんは語ってくれた。この想いと、子どもたちの笑顔をこれから一生かけて守っていきたいと決心させてくれた現地訪問だった。
アートマンズではこのつながりをきっかけに、今後も被災地と地域をつなぐ新たなプロジェクトを立ち上げていく。(オルタナS特派員 菅原和利)