路上文学賞実行会主催の第二回「路上文学賞」が9月1日から30日まで開催される。(詳細な応募要項はこちら

路上文学賞は「広義のホームレス状態にある人」を対象にした文学大賞。エッセイや小説などの文学部門と川柳部門がある。写真家の高松英昭さんが昨年企画し、今年も行われる。

一般にホームレスと呼ばれる路上生活者も含め3つに大別される。(応募要項より)

A:ルーフレス(屋根のない状態)

路上や公園、河川敷など野外で生活をしており、一般に“ホームレス”と呼ばれている人々。

B:ハウスレス(屋根はあるが、家のない状態)

ネットカフェやファーストフード店などに寝泊りしている人々。また日雇い労働者の中には「飯場(はんば)」と呼ばれる宿泊所に泊まる人もおり、屋根はあるものの固定の住居をもたない人々のことを指す。

C:家はあるが住居権を侵害されやすい状態

さらに家に住んでいてもいつ追い出されるか分からない不安定な状況にいる人々も今回の対象に含まれる。生活保護寮や会社名義の賃貸住宅に住んでいる人々は立場がどうしても弱くなりがちだ。さらに友人宅に宿泊する人も含まれる。

A〜Cに属する人々は常に流動的だ。生活保護と公園生活を行き来する人もいれば、お金がなくなりネットカフェから路上に流れる人もいる。ある日突然路上に転がりこむのではない。人間関係を失い、お金を失い、そうしていわゆる”ホームレス”になるのだ。

 

星野智幸1997年、『最後の吐息』(第34回文藝賞)でデビュー。『目覚めよと人魚は歌う』で第13回三島由紀夫賞、『ファンタジスタ』で第25回野間文芸新人賞、2011年『俺俺』で第5回大江健三郎賞を受賞。ホームレスワールドカップ「野武士JAPAN」にも関わる。ブログ「言ってしまえばよかったのに日記」ツイッター@hoshinot

しかし、どうして路上生活者と文学という組み合わせなのか。

路上文学賞の選者である作家の星野智幸さん(写真)は次のように説明する。「文学は読者と書き手が一方的な主張をするところではない。お互いのいる所から出て歩み寄って成り立つ場所。路上も同じ。誰かのためだけにあるのではない。誰もが来てもいい場所。だから路上に文学は似合うのです。」

みなさんが想像する路上生活者とはどのようなものだろうか。

汚らしい服装で、臭いもきつい、明日食べる物をいつも探しまわり、夜になったら寝床を求めて駅や公園に集う人だろうか。昼間から仕事もせず、公園でごろごろとベンチで寝ている人だろうか。

しかしあなたの知らないところで彼らも人生に楽しみを持っている。路上文学は彼らの豊かな感性、生き方、価値観をまざまざと見せてくれるのだ。

路上文学賞の発表は10月15日の予定。受賞作品はビッグイシュー基金ホームページや路上文学賞のツイッターアカウント@ro_bunで発表される。

あなたが心の中にもっている“ホームレス”と文学を通して歩み寄ってみるのも面白いかもしれない。きっとあなたと同じように怒り、泣いて、苦しみ、そして笑っている彼らに出会えることだろう。(オルタナS特派員 大下ショヘル)