参考書宅救便が今年大学受験を控える東北の受験生にとって最高の力になろうとしている。
参考書宅救便とは東日本大震災により被害を受けた被災地の受験生に向けて大学受験の参考書を送ろうというプロジェクトである。個人や企業から使用していない参考書を東京の事務所に集めて、首都圏の学生が仕分けして、被災地にいる受験生に届ける。
参考書は募集開始してわずか一ヶ月で約1万冊集まった。今までに被災地の高校や、個人に約1500冊ほど届けている。
今後は集まった参考書を都内で格安で販売して、その収益で新しい参考書を購入し、被災地の受験生に届ける計画も予定している。
代表の赤塩勇太(青山学院大学3年)さんにお話しを伺った。
Q.この団体を立ち上げようと思ったキッカケは何ですか?
A. この震災を受けて大学生だからこそできることをしたいと思いました。大学生は受験生に一番近い存在だし、なにより時間と体力があると思っています。そこを最大限に活かし、何かできないかと思ったのがキッカケです。
Q. 現地の受験生はどのような気持ちでいますか?
A. 焦っていますね。東北地方の受験生は難関校や国立志望が多くこの状況に切羽詰っているような印象を受けています。
Q. 支援活動で一番頭を悩ますのがどこまで支援を続ければいいのかという点だと思いますがそれに関してはどう思いますか?
A. まずはなにより、今年の受験生が受験が終わったときに参考書があって良かったと思ってくれたら最高ですね。参考書がなくて満足に受験勉強できなかったり、それが原因で受験を諦めてしまう受験生を一人でも減らしたいですね。まずは今年の受験生に対して全力でできることをし続けたいと思っています。
Q. 今後はどのような活動をしていく予定ですか?
A. 夏に都内の大学のオープンキャンパスに呼んだり、現地の受験生と話して受験相談会を開催したりする予定です。
Q. 読者の皆さんに一言お願いします。
A. 自分も大学2年まではなにもしていなく、毎日無生産な生活を繰り返してた。でも、何か一歩を踏み出した瞬間から自分の周りの世界が劇的に変わりだした。もちろん、学生だからこそ責任の面を疑われてこのような活動に批判的な人もいます。でも、自分たちがいて救われている人もいます。そういう人たちがいる限り自分たちの存在意義があるのではないかと思いこれからも活動していきたいです。
大学生だからこそできることをしたいという思いが形になった参考書宅救便。しかし、そんな純粋な思いを売名行為や偽善者などと言って揶揄している人もいる。そういう人にはもう少し自分たちの見ている視野を広げて頂きたい。自分のことばかりを考えるのではなく、相手や第三者のことも視野に入れたらどうか。今、この瞬間にどこで誰が一番苦しみ続けているのか。思いを馳せて感じてほしい。
参考書宅救便