バングラデシュの大学生とともに、将来のことを考え始める15歳前後の現地の子どもたちに向けた雑誌を作ろうとしている大学生がいる。早稲田大学3年の三好大助さん(22)だ。三好さんはバングラデシュのダッカ大学の学生とともに現地の子どもたちに向けて、将来のビジョンを持ってもらうための新しいメディアをつくろうとしている。

三好さんは、ノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行の創設者ムハマド・ユヌス氏の著書「グラミン銀行を知っていますか」を読んで、その志や想いに感動したという。その後、友達と二人、バングラデシュに飛び、バングラデシュと深く関わることとなった。

現地に通ううちに学校に通う子どもたちの問題が見えてきた。それは、子どもたちが将来に対するビジョンを大きく描けていないということだ。例えば、「将来の夢は何か?」と聞くと、ほぼ2通りしか答えが返ってこない。ひとつは「医者」、もう一つは「先生」だ。この背景には、周囲には消極的な人生観を持つ大人が多いことや、「お金をもうけることが第一」と考える文化があるという。

バングラデシュの子どもたち


しかし一方で、お金とは違った、「やりがい」を持って仕事をしている若者もいる。グラミン銀行のムハマド・ユヌス氏がその最たる例だ。そんな彼らの姿を見せ、新たな将来のビジョンを持ってもらいたいと彼らの声を載せた雑誌を作ろうと思い立った。

三好大助さん


雑誌は8月中旬にバングラデシュの学校を通じて子どもたちに配布される予定だ。