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——世代間との対話が大切だとおっしゃられましたが、そういう意味では場づくりにも関心はあるのでしょうか。
小沼:自分自身、同世代向けには、社会課題に関心のあるビジネスパーソン向けの勉強会のようなものを運営していて、場づくりにはすごく興味があります。これを広げて、世代を超えたNPOスタッフ同士の対話の場をつくることができたら、とても意義があると思っています。
僕たちのような若い世代のNPOは、ついつい新しいことばかり追い求めがちですが、実は老舗NPOから学ぶことは沢山あると思います。
例えば、老舗NPOの多くには、強い主義主張を掲げたイデオロギー色の濃い団体が多いのですが、こうしたスタンスを若い世代はついつい敬遠しがちです。でも、一方では若い世代のNPOも主義主張は必ず持つべきで、NPOのセクターにかかわる人であれば、市民活動家としての顔をもっと持ってもいいはずです。ときには行政や政治家を敵に回してでも主義主張を通すといった気概が僕たちの世代のNPOには欠けていて、そうした姿勢は先人たちから学ぶところが多いと僕は感じています。
——マッキンゼー時代のやりたいことと今やっていることでのギャップはありますか?
小沼:マッキンゼーで働いていた当時から、日本のソーシャルセクターをどうやって強くしていくのかをずっと考えていました。その意味では、ギャップはほとんどありません。
——マッキンゼーを辞めてNPOを立ち上げましたが、NPOに対する社会の風当たりをどう感じていますか。「NPOは社会に良いことをしているボランティア団体」という考え方がまだ残っているのでしょうか。
小沼:正直なところ、NPOついての社会の理解はまだまだ十分ではないと感じます。「NPO法人クロスフィールズの小沼です」と自己紹介すると、「ボランティアもされていて素晴らしいですね。で、本業は何をされているんですか?」と聞かれて悲しい思いをすることも多いです。NPOで働くことを本業にしたプロフェッショナル人材が日本社会にも沢山いることが、もっと広く認識されていくことを期待しています。
でも一方で、「NPOは社会に良いことをしているボランティア団体」という認識は、上手く活用することで強い武器にもなると感じています。「ボランティア団体」の持つネガティブなイメージではなく、「自分たちの金儲けのためではなく、世の中を本気で変えるために事業をしている」という、「社会変革を起こすことへの本気さを表すエンブレム」としてNPO法人の持つイメージを活用することが大切です。
僕たちも、ミッションを高らかに掲げたNPO法人を運営しているからこそ、応援してくれる人たちが沢山集まってくれていると思っています。もし僕たちが株式会社クロスフィールズだったとしたら、僕たちのパワーは激しく減っていたのではないかと怖くなります。(笑)
・クロスフィールズ
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