とにかくパワーがある。不可能なことはないとさえ思える。
彼を知ったきっかけはSNS上の友人の書き込みだった。
“エコわらしべ長者”という企画を立ち上げ、マイ箸からプリウスにするという壮大な挑戦に驚いた。ヒッチハイクの達人でもあり、今まで300台以上の車に乗ったという。
また、サンタクロースを通じたチャリティー活動団体を立ち上げ、1000人以上のボランティアを集める。
「チャリティーサンタ」は毎年クリスマスに日本全国の家庭にサンタクロースを派遣し、両親の代わりにプレゼントを渡す活動だ。チャリティーとしていただいた資金はフィリピンなど海外の恵まれない子どもたちへプレゼントを届けるために使う。
この活動を始めて3年。一体何が彼を動かすのだろうか。サンタクロースで世界を変えたいという清輔夏輝さんの情熱の秘密にせまった。
肩書きはサンタクロース
――わらしべ長者、ヒッチハイク、企業人、サンタクロース、色々な顔を持っているけど今名刺に書くとしたら肩書は何になるの?
サンタクロース!(笑)
出身は福岡なんだけど、地元ではインターネットの個人事業主として、それなりの収入も得ていた。設計事務所でバイトしていたこともある。でも、25歳になった時ふと立ち止まった。これから何になろう? と考えた時、これから先もやり続けたいことはサンタクロースしかない!と。
――でも今は企業で働いているよね。
福岡から東京に出て、状況を変えようと思った。
今の状態ではサンタを事業化するのは難しかったから。
自分に足りないのは営業経験、企業に勤める経験、事業を起こす力だった。知人に相談したところ、「今、人を募集しているから面談に来い」と言われて、就職が決まった。運が良かったと思う。
――今は何のために働いている?
サンタの為に働いている。
昨年のクリスマスイブに、チャリティーサンタの活動で会社を休むことになった。
でも俺は子どもたちを喜ばせるだけじゃなくて、職場の人も喜ばせたいと思っていた。次の日に、チャリティーサンタをやってきました、という報告で終わりたくない。
だから23日の深夜、職場用に40人分のプレゼントを用意して、デスクの裏などにこっそり隠した。
24日の朝、出社したみんながプレゼントに気付いて、とても喜んでくれたらしい。それからは、40人みんなが自分の活動を応援してくれるようになった。
今は職場で「サンタさん」と呼ばれている。(笑)