池袋の片隅に「たまにはTSUKIでも眺めましょ」という、ちょっと変わった名前のオーガニックバーがある。マスターの髙坂勝さんは10年前まで普通のサラリーマンをしていたが、現在は環境活動家として活躍している。

生き方、社会、企業、経済のダウンシフトを発信している著書『減速して生きる ダウンシフターズ』についてメッセージをいただいた。

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この本を読んだ多くの方が私のところに報告に来ます。
「会社を辞めた」「好きなことを生業にする」「農を始める」「地方に移住する」
・・・そう、続々と持続可能な未来に歩み始めている人々= ダウンシフターズ がいるのです。

経済成長を目指せば目指すほど、経済は悪化して格差が拡大し競争が厳しくなります。経済優先は環境を壊し、資源獲得のためには戦争も厭いません。多くの人がその矛盾に大なり小なり苦しみ、ストレスと時間に追われて病んでゆきます。加害者である自分、被害者になるかもしれない自分、「仕方ない」と片付ける自分。

ならば「成長」がなくても豊かに生きれることを示したく、小さくていい、ゆっくりでいい、好きなことをしていい、大儲かりしなくていい、という生業(ビジネス)を7年間続けてきました。もちろん少々ながらずっと黒字。

売上が大きくなりすぎたら休みを増やし、米と大豆を自給する、社会を変えるためのアクションをする、好きなことをする、昼寝する。買うなら世の中をよくするものを選ぶ、本物の小さな生業のものを選ぶ、すると応援したお金は自分の生業に戻ってくる。

それが、楽しさ、感動、生きる力の増幅、循環、そしてセーフティーネットへ。
お金に支配された生き方と社会から、お金に縛られない生き方と社会へ。

ポスト3.11の未来は、幸せへのダウンシフトへ。
「食」と「エネルギー」と「分かち合い」の自給へ。
持続可能な地域分散型社会へ。
土の上へ。
そろそろ、降りてゆきましょう。

■『減速して生きる ダウンシフターズ

たまにはTSUKIでも眺めましょ