−−3月10日に通っていた専門学校を辞めています。辞めた翌日に震災が起きました。
煙山:学校を辞め、これからどうしようかと悩んでいた時期に震災が発生し、流れのままボランティアで東北へ行きました。そして、たまたま岩手県の陸前高田市広田町に出会ったのです。
そこで出会った人たちは、収入は少ないし、娯楽施設と呼ばれる場所もないけれど、楽しそうに生きていました。震災のショックもあるはずなのに、それを感じさせない明るさで輝いています。そこに魅力を感じました。この町に住みたい、ここの町の人たちの傍で暮らしていきたいと思いました。
でも、暮らすとなると、仕事をしなければいけません。そこで、自分で仕事をつくっていくという選択を取りました。広田町ならコミュニティーがあり、仲間もいます。一人じゃないと思えたので、やっていけるのではないかと、何の根拠もありませんが、そう思えたのです。
−−去年8月、移住の決断をするまでに不安や葛藤はありませんでしたか。
煙山:自分の力で食べていけるか不安でした。地元の人に受け入れてもらえないのではとも思っていました。でも、「やるしかない」というマインドに無理矢理しましたね。
−−移住した一番のきっかけは何だったのでしょうか。
煙山:みんなが明るくて、冗談を言い合っているところに魅力を感じました。自分もそうなりたいと思っています。ゆくゆくは、この地で子どもを育てて、おばあちゃんと言われる世代になり、腰が曲がっても畑仕事をして、汗を流していたいです。それが、かっこいいと思っています。