夢の実現性を競い合うコンテストみんなの夢アワード5(主催:公益財団法人みんなの夢をかなえる会)が2月23日開催する。予選を勝ち抜いた7人のファイナリストは日本武道館で自らの夢についてプレゼンする。本番まで残り1カ月を切ったなか、オルタナSではファイナリストたちへインタビューを実施。「なぜその事業を行うのか」という共通の質問を問いかけた。今回は、世界有数の性能を持つ「義手」を開発した粕谷昌宏さんを紹介する。
◆
電気通信大学大学院博士課程の粕谷昌宏さんが開発した義手は、筋肉から出る電機信号に 合わせて稼動する仕組みになっている。そのため、高齢者でも筋肉が健全であれば、脳の指令にしたがい、強い力が出せるので 、定年という概念がなくなる。粕谷さんは、「障がい者を、健常者からマイナスされたというイメージを変えたい。この機械で、健常者以上の能力を持たせたい」と話す。(オルタナS副編集長=池田 真隆)幼い頃から、既成概念 で人を押し付けることに違和感を持っていた。社会の決まりごとに迎合する自分が嫌いだった。漫画ブラックジャックにインスパイアーされて、能力さえあれば、不可能を可能にすることができると思いはじめる。
機械いじりが好きで、気付くと没頭していった。やがて身につけたITの力で、身体の限界にも挑戦し始める。脳が働けば、手足の数を超えてアウトプット ができるようになる。
日本武道館では、「望めば何でもできる!」ということを伝えたい。粕谷さんは、機械いじりが好きなだけで 、ビジョンを語る人間ではなかったと、自分のことを説明する。でも、「そんなぼくでも武道館に立てるということを伝えたい。世の中を変えたいと思っているが、そんなことは不可能だと、諦めてしまっている人にこそ気付いてほしい」。