−−東京の居酒屋でアルバイトしながら暮らしていたときには、感じられなかった「生きがい」を東北で感じているそうですね。
煙山:生きがいを感じられるようになったのは、私の過去が影響していると思います。東京にいた22年間、私にとってお金は、生きていくために必要なものでした。
小さい頃に両親が離婚して、シングルマザーの家庭で育てられました。高校1年生からアルバイトをして、卒業後は専門学校に通ったのですが、3年間の学費は全て自分で払っていました。
大学1年のときに、母親が一時危篤状態になり入院してしまい、自分で稼いでいくしかない環境に立たされました。とにかく、より多くのお金を稼ぐために仕事をしていました。だから、仕事を選ぶ感覚はなかったのです。
でも、東北へ来て、自分のやりたいことが仕事にできるのだということを体感しました。これが、生きがいにつながっているのではないかと思っています。
−−復興支援を始めて、何か変わりましたか。
煙山:一番変わったのは、自分自身ですね。震災前は自分に自信がありませんでした。ネガティブ思考でしたね。10代の頃は、好き勝手やっていましたが、内面的には、過去を引きずっていました。何かにつけて、親の離婚のせいにして、諦める癖がありました。
移住してからは、結局、自分を変えることができるのは、自分でしかないと考えられるようになりました。例えば、相手とのコミュニケーションが上手くいかないのも、こちらの意見をちゃんと伝えられていないからだと捉えることができるようになりました。
私は移住しましたが、まだ、よそ者だと思う自分がいます。とけ込んでいるような気はしますが、本質的には馴染めていない自分がいるのです。でも、全ては自分次第です。学びたい、理解したいという姿勢を持ち続ければ、きっと、変わることができると信じています。
そして、いつかは、母親をこっちに呼んで、一緒に暮らしていこうと思っています。
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