――「中小企業のおっちゃんのために」というモットーにはどんな思いが込められていますか。
太田:創業当時、中小企業の経営者への行政の対応がひどかったのを見て、『助けるのは私しかいない』と感じました。今は、中小企業の経営者が仕事に専念できるように助けてあげるのが自分の生まれながらの役割だとわかってきました。
――特に力を入れているポイントは何でしょうか。
太田:昔と比べて、従業員を取り巻く環境がより複雑化し、『働く人』の問題に特に力を入れています。社会の制度や働く人の考えは大きく変わったと思います。昔は、従業員は意見を言い辛く、問答無用で経営者に従わなければいけない風潮がありましたが、今は会社に意見を言えるような人たちが多くなりました。しかし、権利ばかりを主張し、働くということがどういうことなのかわからなくなってきていると思います。働く=社会人としての『躾』を身につけてもらいたいと思っています。
――学生へのメッセージをお願いします。
太田:学生と社会人の大きな違いは、『他人のために生きること』だと思います。学生は自分のために勉強をすればいい。しかし、社会人は常に会社の看板を背負って生きていかなければならない。休みの日だからといって、社会に迷惑をかけるようなトラブルを起こせば、会社の信用に関わります。
だから、それだけの自覚を持って欲しい。また、就職活動をする際、会社を選ぶ基準として、その会社の考え方(経営理念)を見て欲しいです。労働条件ももちろん大切ですが、その会社の考え方によって、長年働く職場が自分にとって楽しくやりがいがあるかどうか決まるので大変重要です。
――これからの目標は何ですか。
太田:現在、『真の中小企業のおっちゃんのためを実践しよう!』という考えをもとに、事務所のフィロソフィ(判断基準)を作っております。私たちは、頂戴する相談に対する答えには重大な責任があると思っております。判断を誤れば、企業様に多大な迷惑をおかけすることになるからです。
そのために弊所では、業務を遂行するための知識や技術的な学びとともに、人間として正しい判断ができるための知識や心根を養うことも大変重要なことであると考えています。人として正しい判断基準を身につけるため、自分自身の人間生を高めることと正しい判断基準を持つことも大切と考えています。