ポート(東京・新宿)はこのほど、Eight Roads Ventures Japan*(旧名:Fidelity Growth Partners Japan)や三菱UFJキャピタルなどを引受先とした第三者割当増資を実施し、総額9億円の資金調達を行った。同社はキャリア、旅行、メディカル、金融に関するウェブメディアを運営しており、今回調達した資金を、「メディアのコンテンツ拡充」「テクノロジーの強化」「新規事業の拡大」に使う。ウェブメディア事業を始めて2年弱だが、会員数は600万人を超える。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

9億円の資金調達を行ったポートの春日代表(右から2番目)

9億円の資金調達を行ったポートの春日代表(右から2番目)

同社は創業5年目のITベンチャー。創業当初はソーシャルメディアを活用した採用支援事業を展開し、2014年4月からは、キャリアに関する知識・情報を提供するノウハウメディア「キャリアパーク」を運営してきた。同メディアは、ローンチから半年で150万人のユーザーを獲得、早期より収益化に成功した。現在では会員600万人を超え、業界最大規模を誇る。そのメディア運用ノウハウを活用して、現在では旅行、金融、ヘルスケア領域のバーティカルメディアを運用している。

同社は「何年も読まれること」をコンセプトに、コンテンツづくりを進めてきた。同社の春日博文代表取締役CEOは、「面接の質疑応答、エントリーシートの書き方など、一定の間は読まれ続けるノウハウ系コンテンツを重視している」と話す。キャリアパークの総記事数は5万件だが、毎月4万件の記事が読まれている。

今回の資金調達で、コンテンツの拡充をしていく。これまでのノウハウ系コンテンツを作り続けながら、自社オリジナルの調査記事やインタビュー記事も作っていくという。また、自然言語処理(Natural Language Processing)の技術開発に取り組み、人工知能を活用したレコメンドエンジンや、広告配信システムの開発にも注力していく。同社は4月から、宮崎日南市にサテライトオフィスを新設する。ライター・編集チームを組み、今後は100人でコンテンツを作っていく。

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