オルタナ57号では「GAFAの社会的責任」と題して、第一特集を組んだ。米国に本拠を置く巨大IT企業であるGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)に対し、課税や規制強化を求める国際的な声が高まっている。シリコンバレーに本社を構えるベンチャーキャピタリストのアニス・ウッザマンCEOにGAFAの課題を聞いた。(オルタナS編集長=池田 真隆)
アニス氏は、ペガサス・テック・ベンチャーズ代表パートナー兼CEO。世界最大級のピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ」を主催しており、これまでに世界で140社以上のスタートアップに投資してきた実績を持つ。
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GAFAクラスの企業になるとCSRの活動をしていかないといけない。周囲も期待している。例えば、プロダクトのなかに、教育的な要素を入れたり、暴力や犯罪を促すコンテンツのフィルタリングなどだ。次世代育成として、プログラミングやコードの書き方などを教えることも意義がある活動だし、個人寄付と同額を会社がマッチングすることも続けてほしい。
GAFAの課題として、シリコンバレーで問題になっているのは、「家賃の高騰」だ。シリコンバレー近辺で暮らそうとしたら、大手で共働きじゃないと暮らしていけない。
もう一つの課題はGAFAが強すぎて、ベンチャーが思いついたアイデアをすぐに実現できてしまうことだ。ベンチャーが生き残るには、ユニークなアイデアをGAFAにバレずに育てていかないといけない。GAFAで働いていた社員が、GAFAに足りないサービスを作って、独立して売却するという流れも起きている。ますます、イノベーションが生まれづらくなっている。
シリコンバレーの投資家は投資先を選ぶときに、経済性だけでなく社会性も見ている。社会性も非常に重要なのだ。背景には、行き過ぎた資本主義社会で、ライフワークバランスを崩したビジネスパーソンが増えてきたことがある。お金を儲けていればそれだけでいいのか?という疑問を多くの人が持ち出した。(談)
*この記事は、「オルタナ57号 特集:GAFAの社会的責任」
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