タイトル:電園復耕~大通りからそれて楽しく我が道を歩こう

なぜ人を押しのけて狭き門に殺到するのか?自分を愛し迎えてくれる人たちとの人生になぜ背いて生きるのか?
この書き下ろしは、リクルートスーツの諸君に自分の人生を自分で歩み出してもらうために書いた若者のためのお伽話である。(作・吉田愛一郎)

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◆College Football

「そうだね。シゲはオフェンスチームなのに衛るってのは変だね。でも君の後ろで指令したりパス投げたりするクオーターバックを衛るという意味かも知れないね」
「誰から衛るとですか?」
「ディフェンスの11人からだよ。特に君の前に並んでいる大きなディフェンスライン達からだよ。だけど手を使ってはならないんだ。立ちはだかったり、体当たりしてだよ。ガードはセンターを挟んで一人ずつ左右に二人だ。ガードの外側にタックルというポジションがやはり左右一人ずついる。攻撃側なのにタックルとは変だね。多分昔は攻撃も守備も一人でやっていたんだろうね。このガードとタックルをビッグフォーと言うんだ。だからシゲとあとの三人は重要だぞ」
「センターは誰ですか」
「そーか、では太って大きなグループで器用な
奴を二人選ぼう。一人はセンター。プレーはまずセンターがボールを後ろにいるクオーターバックに自分の股の間から後ろ向きにボールを渡すことによって始まるんだ。だから少しボールが手になじむ奴の方がいいんだ」
「俺やってみたいっす」デブの中の一人が言った。
「では決まりだ」と吉田が言った。「もう一人大きな奴で足が速い奴が必要なんだ。タイトエンドといて、そいつはパスも取る」
「そんなのいるかな」シゲが言った。
「では後で50ヤード競争をして、買った奴にしよう。残りの大きい奴らは全部ディフェンスだ。センターとタイトエンド以外は春の内ウエートトレーニングと大食いで体重をもっと増やすんだ。時間があればなるべくグランドに来てよ。そんな程度でいい。センターはクオーターバックとの連携があるから、週三日はグランドにでてよ。タイトエンドは他のパスレシーバーと同じようにクオーターバックとボウルを投げ合って遊んでください。タイトエンドはぶつかったりパスを取ったり一番大変なポジションだよ」吉田は言い終えると「さあー、後ろ向きに走る競争だ」
デブや大柄な子や例の足が速い二人を除いて4人ずつ後ろ向きに50ヤードの競争をした。脚をもつれさせて倒れる者や、あらぬ方向に走る者を除いて、数回走るうちに4人が候補に上がった。揃ってサッカーの経験者だった。
「さあ君たちがディフェンスバックだ。ラインを抜けてくるボールキャリアーに組みついたり、敵のパスを奪ってしまうんだ」吉田は言った。
「NFL,アメリカプロフットボールのフィルムを渡しておくから、暇な時はいつでも見てくれ。何回も何回も見るんだ。英語の勉強にもなる」

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