やりたい仕事にチャレンジしたい。とはいえやりたいことを続けながら、この先結婚や子育てをする選択肢があるのだろうか?日本社会では女性にとって一般的に働き盛りの時期と結婚や出産、育児などのライフイベントが重なり、両方を選択することが困難とされている。このような状況で、リクルートホールディングスダイバーシティ推進部の二葉美智子マネージャーは「仕事かプライベートどちらかを選択するのではなく、どちらもチャレンジしてほしい」と話す。同社では現在、女性社員の約4人に1人が子どもを持つ母親だ。その取り組みを聞いた。(オルタナS副編集長=池田真隆)

写真右から、ダイバーシティ推進部の二葉美智子マネージャーと同部に所属する佐藤恵里さん


「両立支援」から「活躍支援」に

同社ではダイバーシティ、中でも女性の活躍推進に2006年度から取り組んでいる。女性社員の活躍の幅を広げるための環境整備に当たり、当時4つの課題があることが明らかになった。それは、①「長時間労働」、②「男性上司の過度な配慮」、③「女性社員のキャリアアップに対するマインドが不十分」、④「マネージャー任用時期と結婚や出産などのライフイベントが重なる」である。

この4つの問題に対して、2008年度から改善策を打った。在宅勤務制度や事業所内保育所の設置、ベビーシッター法人契約など、仕事とプライベートの「両立支援施策」を展開した。その結果2007年に10%未満であったワーキングマザー比率は、2012年には現在の前身である株式会社リクルート単体で23.2%と急激に上がった。

「両立支援施策」に成功した同社は2010年度から「活躍支援施策」にシフトした。女性経営者候補の育成や、海外エグゼクティブとのネットワーキングなどの施策を展開。2012年度には、ホールディングス体制に変更したことで、グループ全体でダイバーシティを加速させるための新たな施策も実施した。

女性社員がマネージャーになりたがらない理由とは

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