高齢化が進む大阪市大正区で「居住一体型シェア工房・店舗」をつくる動きが起きている。築65年の二棟長屋には高齢者が住んでいたが、空いているスペースをクリエイター向けの工房にした。(オルタナS関西支局長=神崎 英徳)
この取り組みは、クリエイター育成やシェアオフィスを運営するデザイン事務所テングマイスター(大阪市)と、設計士や工務店らで構成する「WeCompass(大正・港エリア空き家活用協議会)」との連携事業。
このプロジェクトでは、大正区泉尾にある築65年の二棟長屋「小川文化」の1階をシェア工房・店舗に、2階を5戸の住居に再生する。住居部分は、大阪市立大学建築学科横山研究室など5チームがDIYで手掛ける。そのアイデアや仕上がりを競う「DIYコンテスト」を11月中旬に開催し、審査委員長を大正区長が務める。
大正区は大阪24区の中で4番目に高齢化率が高く、コミュニティーの衰退が課題となっている。「小川文化」の北棟は長らく空き家として放置されていたが、南棟には古くからの住民である高齢者が現在も居住している。
高齢者が長く住み、商店街や小学校に近い「小川文化」にクリエイターが居住することで、地域に関わりながら仕事をつくり出すクリエイターの育成と、地域と連携したコミュニティーづくりを進める。
「ヨリドコ大正メイキン」というプロジェクト名を名付け、9月25日までクラウドファンディングで資金を募っている。
運営するテングマイスター代表の細川裕之さんは、「『ヨリドコ』の名前の通り、地域住民やクリエイターを始めとする様々な人の心の寄りどころ、暮らしを豊かにするコミュニティーをつくっていきたい」と話す。
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