みずほフィナンシャルグループは4月15日、「サステナビリティへの取り組み強化について~脱炭素社会実現に向けたアクション強化~」を発表し、石炭火力発電所向け与信残高を2030年度までに50%減、2050年度までに残高ゼロにするという目標を表明した。これを受け、複数の環境NGOが声明を発表した。声明文は下記。(オルタナ編集部=多田野 豪)

抜け穴は完全に塞ぐべき

NGO緊急共同声明:みずほFGが石炭新方針を発表~抜け穴は完全に塞ぐべき

共同で発表した団体は下記の5団体
・「環境・持続社会」研究センター(JACSES)
・気候ネットワーク
・国際環境NGO FoE Japan
・国際環境NGO 350.org Japan
・メコン・ウォッチ

—要旨
みずほFGの新規の石炭火力発電事業への融資を行わないという方針に加えて、与信残高ゼロに向けた目標スケジュールの設定は邦銀初の取り組みであり、みずほFGの新方針における一定の前進を歓迎する意向だ。

その一方で、方針の「運用開始日以前に支援意思表明済みの案件は除く」としていることから、現在、国際協力銀行(JBIC)及びみずほ銀行を含む邦銀4行が融資を検討しているベトナムのブンアン2石炭火力発電事業などに対しては支援の可能性があることを問題点として指摘している。

そういった例外規定を削除し、早急にすべてを停止する方針を掲げるとともに、石炭火力発電や石炭採掘の依存度が高い企業・新規発電所建設を計画中の企業への投融資から撤退する方針を掲げるべきだと主張した。

石炭関連企業への融資制限も必要

みずほFGの石炭火力事業への新規投融資中止を歓迎
——石炭関連企業への融資制限も必要(国際環境NGOグリーンピース・ジャパン)
ハンナ・ハッコエネルギー担当

みずほFGが、他の金融機関と同様、石炭火力発電所の新規建設事業への投融資を行わないことを歓迎します。 ただし、これは最初の一歩に過ぎません。脱炭素に真剣に取り組むのであれば、みずほFGは、化石燃料産業を支援するすべての投融資について取り組む必要があります。今回の新しい方針は、石炭関連企業の資金調達(コーポレートファイナンス)に制限を課していません。 みずほFGが、石炭などの化石燃料関連企業への世界最大級の資金提供者であることを考えると、これは大きな懸念点です。

石炭火力発電事業への新規投融資の中止は、みずほFGにとって脱化石燃料の取り組みのほんの一部にしか過ぎません。

グリーンピース・ジャパンは、みずほFGをはじめ、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループなどのメガバンクに対し、海外の銀行の例にならい、石炭に依存する電力会社への融資(コーポレートファイナンス)の段階的な停止を求めています。

日本のメガバンクは、化石燃料産業へのすべての資金提供をただちに停止する必要があり、すべて電力事業の顧客に対し、事業の脱炭素化戦略の提示を求めるべきです。




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