動物の権利団体NPO法人アニマルライツセンターと大学内の食堂にベジタリアン食を推進する団体Vege Projectは4月25日、ライブツアーで来日していたポール・マッカートニーへの単独インタビューを行った。インタビューでは、ベジタリアンになった原体験や、トラックや飛行機よりもメタンガスを排出し、地球温暖化の一大原因とされる畜産に対する考えを話した。ポール・マッカートニーが動物や菜食に特化したインタビューに応じたのは、はじめて。(オルタナS副編集長=池田 真隆)

インタビューを受けたポール・マッカートニーを囲んで記念撮影=4月25日のライブ前

インタビューを受けたポール・マッカートニーを囲んで記念撮影 ©2015 MPL Communications Ltd/Photographer: MJ Kim

インタビューの聞き手は、NPO法人アニマルライツセンターの岡田千尋代表理事と、同団体スタッフのヘロニモ・エスケルさん、Vege Projectの川野 陽子代表の3人。

冒頭、ポール・マッカートニーは、ベジタリアンになった経緯を話した。30年以上前、実家の農場で子羊を飼っていたが、その子羊を食べることに違和感を感じたことがきっかけだという。

「子羊たちはやっとの思いで生まれてきて、この世界にお母さんと一緒にいて、仲間と楽しんでいて、そして、殺される。ぼくは、そのことは必要ないと思っている」と話した。

肉を食べない生活でも、健康に暮らせていることを強調した。「肉を食べていなくても、ぼくは幸せで、ベジタリアンフードを食べて、体も強くなった!なによりぼくは楽しんでいるし、クリーンで健康なライフスタイルだと思うよ」。

さらに、話は、地球温暖化へも及んだ。2006年に国連が出したレポートでは、畜産動物が、空気中のメタンガスを発生させ、地球温暖化を進める最大の原因とされている。ポール・マッカートニーは、「その時まで、車やトラックや飛行機が原因だと思っていた。ぼくにとってとても重要な事実」とした。週に1日だけ肉を食べない日をつくる「ミートフリーマンデー」への参加を呼びかけた。

■動物の未来を明るいものに

インタビューを行った、アニマルライツセンターの岡田代表は、「動物への温かい思いやりやミートフリーマンデーへの熱い情熱を聞けたこと、日本の人々にメッセージをもらえたことは、日本での動物や環境保護運動への大きな力になるはず」と話した。

コンサート直前だったが、「飾らない雰囲気で、ユーモアも交え、真剣に多くのことを語ってくれた」と振り返る。「彼のメッセージが多くの人に届き、地球と動物の未来が明るいものになることを願う。そして、私たち自身が、それを広め実現していかなくてはならないのだと、強く感じている」と力を込めた。

今回、記事で掲載した内容は、インタビューの一部だが、インタビュー映像は、日本でのミートフリーマンデーのイベントで公開される。時期は夏過ぎを予定している。

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