日本で初めて外国籍人材が活躍する「現場」にスポットライトを当てたアワードが開かれます。外国籍人材と「お互いの強みをうまく活かしている企業」「彼らの活躍でパワーアップしているチーム」「ビザの面から心強いサポートを担う行政書士」を表彰して、日本を代表する外国籍人材雇用のロールモデルを決めます。(オルタナS編集長=池田 真隆)

日本を代表する外国籍人材雇用のロールモデルを決める「Global one team Award」

主催するのは、「特定技能」を活用した外国籍向けの生活定着支援を行うone visa(ワンビザ、東京・台東)。1991年生まれの岡村アルベルトさんが立ち上げたベンチャー企業です。

このアワードに応募できるのは、外国籍人材を雇用する企業・団体(人数・団体規模は不問)、入管業務を取り扱う行政書士事務所。11月13日までエントリーを受け付けています。

「この10年間に外国籍人材を雇用している事業所数は9万5千から24万へと約2.5倍に増えています。そこで、『外国籍人材の活躍によって特にパワーアップしているチーム』『個人の強みをうまく活かしている企業』の実例にスポットライトを当てることで、多様性ある人材雇用のロールモデルになってほしいと考え企画しました」one visaを立ち上げた岡村さんはこう話します。

岡村さんは日本人とペルー人のハーフ。6歳のときに、ペルーから日本に来ました。大阪や神戸で育ち、大学卒業後は入国管理局で働きます。

one visaを立ち上げた岡村アルベルトさん

幼少期に強制送還された友人を目の当たりにしていたので、ビザに関して問題意識を持っていました。

現場責任者まで務めますが、1年後には辞め、起業準備に入ります。自営業の両親のもとで育ったこともあり、「子どもの頃から起業家になることを決めていた」とのこと。

入国管理局で働きながら、起業セミナーなどに通い、独学で知識を付け、半年後には、外国籍向けの生活定着支援サービスを行うone visaを創業しました。

ミッションは「世界から国境をなくす」。強い思いをそのまま文字に込めました。

ビザ取得だけでなく、日本に入国した後の住居探しや銀行口座開設、クレジットカードの発行など、ビザ情報を基点とした信用構築、生活インフラも支援しています。

今回立ち上げたこのアワードで訴求したいことは3つあると述べます。

一つは、外国籍人材を雇用する企業が増える中で、理想的なロールモデルとなる企業にスポットライトを当てることで、日本全体で健全な「Global team」が増えること。

二つ目は、先進的な事例を学んだ企業が自社にノウハウを持ち帰ることで、各社の多文化共生の水準を向上させること。

最後は、実際に活躍する外国籍人材が世の中に知られることで、「外国人」「アメリカ人」「中国人」といった概念ではなく、「張さん」「マイクさん」といった個人の顔が浮かぶようになり、より親近感が湧き、誰もが日本社会の一員であるという感覚を世の中に浸透させていくこと。

審査員による書類選考を経て、各賞の受賞団体を決めます。総合部門の優秀賞に選ばれた5社のみ、12月2日に予定されている「ファイナリストピッチ大会&受賞式」の場で5分間のショートピッチを披露、その中から最優秀賞を決定します。

「Global one team Award」応募概要
応募受付:2020年9月24日(木)〜11月13日(金)
ファイナリストプレゼン大会・最優秀賞の発表:12月2日(水)
応募資格:外国籍の人材を雇用する企業団体(人数・団体規模は不問)または、入管業務を取り扱う行政書士事務所
公式Webサイト:https://global-oneteam.com/
応募フォーム:https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfxXgJSD9IjQrp3KPFwnP8ibGHq3Zprh8qfPFCeB21OcRgexA/viewform

◾️審査員
• 毛受 敏浩 公益財団法人日本国際交流センター執行理事
総務大臣賞自治体国際交流表彰選考委員、新宿区多文化共生まちづくり会議座長
• 浜田 敬子 BUSINESS INSIDER JAPAN 統括編集長
• 松橋 正明 株式会社セブン銀行 専務執行役員
• 三浦 孝文 オイシックス・ラ・大地株式会社 HR本部 人材企画室 室長
「人事ごった煮会」発起人、カラビナテクノロジー株式会社 People’s Adviser、株式会社リクメディア 顧問
• 岡村アルベルト 株式会社one visa 代表取締役CEO

審査基準
企業・団体
<基礎点>外国籍人材の受け入れ体制、制度の充実度(言語面・ビザのサポート、社会福祉面など)
<応用点>社内においていかに外国籍のメンバーが活躍しているか(組織全体の成長)
彼/彼女にしかできない功績を残しているか(個人の成長)
国籍による垣根のなさ(心の国境を無くす工夫)

行政書士
<基礎点>入管業務の割合や今後の意欲
<応用点>入管業務を開始した背景自身の業務内における入管業務の位置付け
自主的な情報発信、外国籍の方々やコミュニティに対する貢献活動などがあれば