フランスの出生率は2.01%となり、ヨーロッパではアイルランドに次いで第2位である(2011年現在)。数年前までは日本と同様に少子化が進んでいたが、制度の改良により先進国で唯一、出生率が上昇している。

子育てしやすい国であることが出生率を高めている


理由の一つに保育所が充実していることが挙げられる。例えば公立の幼稚園は無料で、ベビーシッターの利用には補助金が出るなど家族手当が厚く、働きながら子育てできる環境が整っている。

また未婚のカップルの子どもも、既婚カップルの子どもと同じように受け入れてくれることも大きい。フランスでは法的に結婚という形をとらない事実婚のカップルが多く、結婚していなくても法律上、権利の保障をするようになった(ちなみにジョニー・デップもフランス人女性と未婚だが子どもがいる)。

そのため結婚していないカップルの子どもは50%以上、つまりフランスで生まれた子どもの半数以上が婚外子なのだ。こうした現実に合わせて法律を柔軟に変えていけることがこれから大切になっていくだろう。(オルタナS=木村絵里)