ポンプメーカーの酉島(とりしま)製作所(大阪府高槻市)とNPO法人日本アントレプレナーシップアカデミー(大阪市北区)が協働で行った「ドリカムスクール」が、「キャリア教育アワード」で経済産業大臣賞(最優秀賞)を受賞した。このアワードでは、仕事のやりがいや学校での学び、社会との繋がりなどを子どもたちに伝える「キャリア教育」に取り組む企業の活動を表彰している。



ドリカムスクールとは、自分の将来の選択肢を広げてもらうための仕事体験プログラムだ。子どもたちに、働く大人と交流をすることで自分や社会、働くことについて考える機会を提供している。

同社の異なる部署の若手社員8名でチームを結成、自分たちの会社や仕事をテーマに茨木市立三島小学校4年生84名に対し計3日間の出張授業を行った。「分かりやすく、そして楽しんでもらえる授業にするため何が必要か」など具体的なプログラムづくりを日本アントレプレナーシップアカデミーのコーディネーターの支援を受けながら、約4カ月間かけて準備をした。

キャリア教育アワードとは、企業や経済団体による教育支援を奨励や普及するため2010年に創設された表彰制度である。今回応募した数は78社で、その中で経済産業大臣賞(最優秀賞)に選ばれた酉島製作所は、「ものづくりの会社として自社の特徴を活かしたプログラム。異なる部署の社員がチームとなって子どもたちに教えることで、仕事への誇りや意欲喚起、プロジェクトマネジメント力の向上など、若手社員の成長の機会としても大きな収穫を得ている」ということが評価された。

酉島製作所の吉川さんは、「当社の社員にとって、会社や仕事への誇り、プロジェクトマネジメント力の向上など、『教えること』を通して多大な学びを得られる貴重な経験です。この受賞をさらなるモチベーションアップの励みとし、今後も充実したプログラムとなるよう創意工夫を重ねていきます」と意気込みを語る。(オルタナS関西特派員=北村洋樹)