東南アジアの「自立」を支援する学生による国際協力団体FEST。今年3月からフィリピンの貧困街に住んでいる人々の自立を支援する活動を約5年の歳月をかけて実施する。同団体の設立者倉田拓人さん(日本大学法学部3年)は「今まで13の国際協力系団体に所属してきたが、どこに所属しても学生の国際協力には限界を感じていた」と語る。

国際協力団体FESTが立ち上がったのは2010年8月。それまで13個の国際協力系団体に所属していた倉田拓人さんは、自身が感じた学生の国際協力の限界を打ち破るために同団体を設立した。

具体的に感じていた学生の国際協力の限界は次の通り。
現地の自立を支援するような考え方が甘い点。現地からの撤退について期限を決めていない点。学生なので、現地に駐在員を配置出来ないために長期的な自立支援が出来ずに、どうしても一時限りの支援となってしまう。

そこで、倉田さんはまずプロジェクトを組むに当たって撤退時期を具体的に決めることから始めた。さらに、継続的に支援を行うために現地の人の中でリーダーを作り、現地人と一緒になって活動を行うことにした。

2010年8月から10月までの2ヶ月間で計17回の説明会を一人で行い、倉田さんのみだった団体が20名の団体に拡大した。2010年10月から2011年10月までの期間に支援先や提携先などを決めた。渡航費や衛生面などの理由からフィリピンを支援先と決めると、この期間に計2回の現地調査を行い、ニーズ調査を実施した。

渡航したフィリピンの貧困街では、「自分たちの問題は自分たちで解決する」仕組みを構築するために、地域住民を集めてお互いの感じている問題を話し合う機会を設けた。

約1年に渡り支援活動の基盤作りに動いてきた。いよいよ、今年3月から5年間のプログラムが開始する。同団体の代表も倉田さんから後輩に引き継がれた。メンバーも総勢で70名の巨大組織へと変わった。さらに会議を活性化させるために学生団体では珍しいPCM法を導入している。

学生の国際協力には限界があると言われる社会を変えるべくFESTは戦陣を切って突き進む。(オルタナS特派員 池田真隆)


学生国際協力団体FEST