印刷業でありながらインターネットテレビFDNで映像配信を行っているCIAの長島伸明さんに話を伺った。CIAは印刷業を生業としている会社だが、被災地に関するイベントや映像制作といった取り組みを、ネットメディアを通して行うために、2004年4月にインターネットテレビFDNを開局した。なぜ印刷業なのに映像を取扱い、配信を行っているのかをたずねた。(学生による被災地支援のための市民メディアプロジェクト支局=大石 恭平・武蔵大学社会学部メディア社会学科2年)
長島さんは、「今まで印刷業として紙媒体での情報発信であったが、比較的自由な社長が、インターネットテレビでの情報配信はできないのかと提案してきたことがきっかけ」と話した。
FDNでは被災地の現状を撮影し配信し続けている。開局した2004年から、震災が起こる前と後で、起きた意識や行動をとらえ続けた。長島さんは「情報を発信するために、必要な情報を知り、そして話を聞きに自ら積極的に行動した。自分の知りたいことは、他の人々も知りたいことなのだ」と、被災地の状況を精力的に発信した。
SNSでも情報を流すと、すぐに返信が来るなど視聴者からの反響は大きい。市民メディアとしてのFDNが伊達市を中心に被災地の状況を継続的に発信し、それを見てくれる視聴者が増えれば、FDNが行っている取り組みには意味があるといえる。
福島こども未来映画祭に関わっている金間登志江さんにもお話を伺った。福島こども未来映画祭は、全国障害フェスティバルをきっかけとなっている。そこで福島県民も参加して制作した「春色のスープ」を皮切りに、福島に映像文化を根付かせようと考え発足し、それが今の福島こども未来映画祭になっている。
震災が起きた2011年から主旨が少し変化し、映画を通してこどもに元気の源、心のよりどころを創り出し、復興への活力にしていくといった震災復興プロジェクトとしてのイベントとなり、実行委員としてCIAも取り組んでいる。被災地支援のための活動へと意識の変化が見られた。
こうした活動を含め、印刷業であったCIAさんが被災地支援のために、生業である印刷業から少し離れ、市民メディアを通して活動を続けている。インターネットテレビFDNの存在意義と復興につながるイベントに取り組み、CIAができることをこれからも続けていく。
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