ビジネスツールとして欠かせない名刺の素材に、自然廃材を使う取り組みが注目されている。中でも、発展途上国でゴミとされていた農産物の廃材の活用は、資源を無駄なく使うだけでなく、新たな雇用も生みだしている。

日新堂印刷株式会社(北海道札幌市)は、14種類の自然廃材で名刺を作っている。元々はリサイクルの進むペットボトルや牛乳パックなどの生活用品や、シュレッダーにかけられた機密文書や返品された雑誌などを素材としていた。

2010年8月から、同社の名刺ユーザーだった環境コンサルタントのペオ・エクベリ氏と共同で、バナナの茎から名刺にも使える紙を作る取り組み「バナナペーパープロジェクト」を立ち上げた。

取り出したバナナの繊維を干すザンビアの女性たち   働く事自体初めての人も多い


ザンビアのバナナの木とペオ氏


アフリカ南部のザンビアはバナナの生産地であり、ペオ氏が取材で訪れた事のある場所だった。バナナは一度収穫すると、二度と実を付けない茎を切り落とす。バナナの木は多年草なので、半年でまた新しい茎が伸び実を付ける。収穫の度大量に破棄されていた茎の繊維を取り出し、紙を作る。今まで仕事の無かった女性達に新たな収入が生まれた。またフェアトレードの理念に従い、児童労働の禁止や安全対策などの就業ルールも設けている。

日新堂印刷㈱代表取締役の阿部晋也さん


資源の再利用と雇用の創出を両方叶える取り組みに共感し、エコ名刺を持つ人の輪が広がりそうだ。(オルタナS特派員=中川真弓)

■日新堂印刷㈱ http://www.nissindou.co.jp/
■バナナペーパープロジェクト
「日新堂印刷株式会社 x 株式会社One Planet Cafe」
http://www.oneplanetcafe.com/paper/index.html