2月26日、東京農業大学世田谷キャンパスにて、学生環境団体“いそべや”の2011年度活動報告会が行われた。当日は普段からいそべやの学生と活動をしている関係者などが集まり、今年一年間の活動内容が企画ごとに説明された。
いそべやは、東京農業大学世田谷キャンパスが2002年度にISO14001を取得したことをきっかけに、内部監査員資格取得やスキルアップを目的に設立された団体。現在は実践的な活動に力を入れ、多くの企画活動を行なっている。
例えば、毎年夏に行われる「海のごみ拾い合宿」では、静岡県伊東市に2泊3日の合宿を行う。地元の人と共に海岸の清掃活動を行うほか、地元の花火大会ではごみ分別スタッフとして参加している。一昨年には計77名の地元の方と海岸沿いを清掃した。
また、世田谷で毎年行われる「せたがや梅まつり」にも参加している。梅まつりでは、子供たちを対象に環境のことをしってもらうために射的ゲームなどを企画している。仲村拓也さんはその目的について「塾やゲームの普及により子供たちは外で遊ぶことが少なくなり、自分たちの回りの環境について気にしなくなっている。遊びを通して、環境問題に興味を持って欲しい。」と述べた。
実践活動の他にも、「気づき、考え、行動し、伝える」学生を育成するために、様々なゲストを招待し、大学の単位が認定される授業を開催している。昨年度は、東京油田の高橋悠さんやアヴァンティの渡邊智恵子さん、多摩農林の高田衛さんなどが講演を行った。各回にはディスカッションなどの場を設け、修了後も主体的に動ける学生の育成に務めた。
運営メンバーの森林総合学科2年小渡翔子さんは「特別講義Dコースは、学生が授業を運営するということが最大の特徴です。複数の学生(特講スタッフ)が授業を構成するためにかかわる。その時点で気づき、考え、行動するということは始まっています。この特講スタッフに受講生を巻き込むことで、特別講義Dコースは成り立っており、学生が授業を運営する意味はここにあるのです。」と人との関わりの中で目標とした力の養成ができたという。
いそべやは、他にも海から山まであらゆるフィールドで活動している。「学祭には有名人を呼ばない」ことが目玉の東京農業大学だけに、学生たちの活動には独特の面白さが詰まっている。(オルタナS特派員 大下ショヘル)