リオ+20という言葉を初めて聞いた人へ。ここでは、今年6月にブラジル・リオデジャネイロで開催される国際会議「リオ+20」の総力特集を紹介しています。【8時間目】の今回は「MDGs(ミレニアム開発目標)」について紹介していきます。
■2015年までに達成すべき8つの目標—−ミレニアム開発目標
MDGs(ミレニアム開発目標)とは、2000年9月にニューヨークで開催された国連ミレニアムサミットで採択された国連ミレニアム宣言などをもとにまとめられた国際社会が達成すべき宣言のことを指します。
以下の8つの項目ごとに2015年までに達成すべき具体的な数値目標が設定されています。
1、極度の貧困と飢餓の撲滅
・2015年までに1日1ドル未満で生活する人口の割合を1990年の水準の半数に減少させる。
・2015年までに飢餓に苦しむ人口の割合を1990年の水準の半数に減少させる。
2、普遍的な初等教育の達成
・2015年までに、全ての子供が男女の区別なく初等教育の全課程を修了できるようにする。
3、ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上
・可能な限り2005年までに初等・中等教育における男女格差を解消し、2015年までにすべての教育レベルにおける男女格差を解消する。
4、幼児死亡率の引き上げ
・2015年までに5歳未満児の死亡率を1990年の水準の3分の1に削減する。2015年までに5歳未満児の死亡率を1990年の水準の3分の1に削減する。
5、妊産婦の健康状態の改善
・2015年までに妊産婦の死亡率を1990年の水準の4分の1に削減する。
6、HIV/エイズ・マラリアその他の疾病の蔓延防止
・HIV/AIDSの拡大を2015年までに食い止め、その後反転させる。
・マラリア及びその他の主要な疾病の発生を2015年までに食い止め、その後発生率を下げる。
7、環境の持続可能性の確保
・持続可能な開発の原則を国家政策及びプログラムにもりこみ、環境資源の損失を減らす。
・2015年までに、安全な飲料水を継続的に利用できない人々の割合を半減する。
・2020年までに、少なくとも1億人のスラム住民の生活を大幅に改善する。
8、開発のためのグローバルパートナーシップの構築
・さらに開放的で、ルールに基づく、予測可能でかつ差別的でない貿易及び金融システムを構築する。(良い統治、開発及び貧困削減を国内的及び国際的に公約することを含む。)
リオ+20では、2015年以降の包括的なポストMDGsの策定に向けて議論される予定です。つまり、今年6月には、2015年以降の国際社会の新しい現状を踏まえた取り組みに向けた枠組みが話し合われるということです。
次の世代にとって関心のある社会問題が選ばれて、達成すべき具体的な数値目標などが掲げられます。ブラジル・リオでは何が議論されるのか注目です。
これで、【8時間目】は終わります。次回は、5月9日(水)に更新します。楽しみにお待ちください。