人口10万人当たりの自殺者数が16年連続で全国ワースト1位の秋田県。

その秋田県で自殺防止に取り組むNPO法人「蜘蛛の糸」などの自殺防止団体の活動を取材した映画が、公開準備中だ。

自殺予防に取り組む団体「心といのちを考える会」を立ち上げた袴田俊英さん(右)。©『希望のシグナル』サポーターズ・クラブ/ロングラン映像メディア事業部


それが、ドキュメンタリー映画「希望のシグナル―自殺防止最前線からの提言―」。1982年生まれで、本作が初監督作になる都鳥伸也さんが監督を務めた。

詳細な内容はぜひ本編を観てほしいが、活動団体の働きによって自殺を思いつめる当事者がどうなったのかについては、この映画では今ひとつ伝わってこない。活動を継続させるための経費がどう調達されているのかも紹介されていない。

そうした取材の詰めの甘さはあるものの、自殺を考えてしまう人に直面する活動団体の面々が自らの無力を隠さず、率直に見せる不安な表情は極めてリアルだ。自殺という難題に向き合おうとする彼らの真摯な横顔は、有効な自殺対策へ本腰を入れていくのはむしろこれからだという厳しい現状を観る者に突きつけてくる。

6月16日から東京・ポレポレ東中野で公開されるほか、全国で順次上映。(今一生


●映画『希望のシグナル』 公式サイト
http://ksignal-cinema.main.jp/index.html



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