「イーココロ!」というサイトを通じてオンライン・ショッピングをするだけで、社会的課題を解決する団体を経済的に支援できる仕組みなどを開発してきた社会的企業のユナイテッドピープル(福岡市)。

福岡の中心から外れた港町のオフィスで働く関根社長


同社は神奈川で2002年に起業し、2011年には千葉に移転したが、今年4月末からは九州の社会起業家ネットワークの拠点・福岡に本社を移転した。

創業当初はITベンチャーの事業カラーが強かったが、2009年からは「アリ地獄のような街」の宣伝・配給を手がけるなど、映画配給事業にも力を入れている。

これまでに「幸せの経済学」「台北カフェ・ストーリー」「第4の革命 エネルギー・デモクラシー」などの配給を手がけてきた。最新作「happy - しあわせを探すあなたへ」は
5月12日から東京・渋谷のアップリンクなどで公開している。

また、昨年はピースデイ・国際平和の日に合わせて「UFPFF 国際平和映像祭2011」を開催し、京都、東京、神奈川、福岡、北海道、愛知、大阪などを縦断して上映を行った。

こうした映画配給事業にとって「福岡は好立地」と関根社長は言う。

「中期的には中国・韓国を主軸にアジア展開を考えています。国内外に世界の現実を伝える社会性の高いドキュメンタリー映画を中心に発信していくうえで、アジアに近い福岡は便利なのです。これまで海外の作品を配給してきましたが、いずれは日本の良質な作品も発掘し、アジアそして世界へ配給していきたい。既に韓国の釜山映画祭に足を運んだり、ソウルで映画関係の方々と話し合いを進めているところです」

「また、これまでは東京で上映してから全国に広げていく配給の仕方が主流でしたが、福岡から北上するように上映を広めていってもいい。実際、カフェを舞台にした映画「台北カフェ・ストーリー」では、カフェで映画を見るスタイルも増やしていこうと思いますし、それによってその場で映画を見た人どうしがつながっていける。東京から離れても月2回10件のアポを東京でこなしていますが、週2、3日のアポと効率では変わらないですし、LCC(格安航空会社)の登場で交通費も安くなり、地方でも不便なく働ける可能性はもっと広がっていくと思います」(今一生


●ユナイテッドピープル 会社概要
http://www.unitedpeople.jp/company