京都と東京の学生4人から構成されるボランティアチームによって、災害意識を喚起し続けるユニークなサービス「yamory(ヤモリー)が今年2月開発された。定期的に非常食を届けることによって、災害に身構えることを忘れなくさせる仕組みである。
ヤモリーに申し込むと、半年ごとに一回非常食が届けられる。新しい非常食が届けられるごとに、賞味期限を迎える古い非常食を食べる。非常食の中身は、ご飯(6食)、カレーなどのレトルト食品(6食)、缶詰(3つ)、野菜ジュース(3本)、ガム(1つ)、おかゆ(3食)、水(3L)である。
このサービスは災害でライフラインが途絶えたときに、不安解消のために買い占めが起きてしまう問題を解決するために開発された。ヤモリーの代表古川由己さん(名古屋市立大学1年・24)は、昨年の東日本大震災で東京で起きた買い占め問題に危機感を感じたという。
古川さんは「東日本大震災後の5月に宮城へボランティアに行ったとき、ある農家が1週間孤立していた。幸い農家だったことと、近くに小川があったので耐え忍ぶことができたが、東京直下型地震が起きて1週間孤立してしまうと危険ではないかと思った」と話す。
非常食の美味しさにもこだわったという。「非常食は不味かったら放置されてしまう。本当に辛いときこそ、美味しいものを食べて笑顔になってほしい」との想いから非常食の内容を考えた。
現在では、200人ほどが申し込んで、サービス利用者からは「常に非常食があるので、助かる」との声が聞かれている。
ヤモリーの申し込みは5000円からの半年プランから利用可能である。(オルタナS副編集長=池田真隆)
非常食宅配サービスyamory