産業廃棄物処理業のリヴァックス(兵庫県西宮市)は7月12日、西宮市鳴尾浜の同社リサイクル施設で、関西大学第一中学校の2年生を対象にした環境学習会を実施した。生活に身近な飲料のリサイクルを見てもらい、環境問題について考えてもらうのが目的だ。(オルタナS関西支局特派員=宝水 幸代)
学習会では、賞味期限切れなどによって廃棄されるペットボトル入り飲料などを、環境負荷の少ない「バイオマス燃料」に生まれ変わらせる工程を見学。飲料と容器の分別方法や、飲み物をエネルギーに変えていく具体的な技術について学んだ。液体は飲料工場以外から出る固形の廃棄物と混ぜて乾燥させることで、熱量のある燃料を製造している特殊な技術などを解説した。
大規模プラントによるリサイクルの工程を目の当たりにした中学生たちは、廃棄される飲料の多さにまず驚いた様子。学習会に同席した同社の赤澤正人社長は「話で聞くのと実際に見るのではまったく違う。施設見学だからこそ実感を持ってもらえるのでは」と学習成果に手応えを感じていた。
同社は2008年にリサイクル業界で初めて、廃棄飲料専用の保管施設を稼働し、バイオマス燃料を製造するまでの再資源化モデルを確立した。また、2014年にはプラントの新たな熱源としてバイオマスボイラーを稼働し、都市ガスの使用量を大幅に削減。建設廃棄物を再資源化した木質チップを使用しているため、コストとCO2の削減を実現している。
学習会を通じてリサイクルの現場をオープンにし、産業廃棄物処理が消費社会に果たす役割を知ってもらうことで、「見えにくい業界」という印象を払拭したいと同社。中学校向けエコツーリズム企画のプログラムの一つとして、今後も環境教育を続けて行きたいとしている。
[showwhatsnew]