リオ+20という言葉を初めて聞いた人へ。ここでは、今年6月にブラジル・リオデジャネイロで開催される国際会議「リオ+20」の総力特集を紹介しています。【12時間目】の今回は、各国で異なるグリーンエコノミーの捉え方についてです。

リオ+20でメインテーマとなる「グリーンエコノミー」に関しては日本と欧州での捉え方に大きな違いがあります。リオ+20で採択される政治的文書への各国からの提案を見ていくとその違いがわかります。

日本はグリーンエコノミーをどう捉えるのか


日本政府の提案内容
・グリーンエコノミーへの移行——スマートグリッドや省エネなどの技術強調
・ポストMDGsの設定
・9つの柱(防災、エネルギーシフト、食料安全保証、総合水資源管理、環境未来都市、持続可能な開発のための教育、地球観測システム、グリーン・イノベーション、生物多様性・愛知目標の実現)

国内準備委員会の提案内容
・東日本大震災の教訓——原発の安全対策強化と持続可能なエネルギーシフト検討、省エネ・環境・リサイクル技術の普及
・経済、社会、環境のトリプルボトムラインに文化を追加
・自然資本の利用者回復原則を議論

一方、欧州では、森林や土壌、鉱物資源などを「自然資本」として定量評価し、経済システムに組み込む姿勢を強めています。UNEP(国連環境計画)は2011年2月に「グリーンエコノミー報告書」を発表し、世界のGDPの2%を自然資本に投資すれば、自然資本を維持したまま経済成長を繰り返すことができて、グリーンエコノミーシフトが可能であるとして、企業も自然資本の外部コストに気づくべきだと訴えました。

つまり、日本は技術を広めていく方針でありますが、欧州は自然資本の会計への導入をもくろんでいます。さて、どうなるのでしょうか。答えはリオ+20で明らかにされます。

以上で、【12時間目】は終わります。次回は、5月24日(木)となります。楽しみにお待ちください。